見出し画像

430位:Elvis Costello 『My Aim Is True』(1977)【解説文翻訳】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)

 このnoteでは2020年に、2003年版と2012年版に続き8年ぶりに改訂されたローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 本家サイトに載っているアルバム解説文の日本語翻訳をしています。本日はこちらのアルバムです。

画像1

430位:Elvis Costello 『My Aim Is True』(Columbia, 1977)

<ローリングストーン誌による解説(翻訳)>
 エルヴィス・コステロは自らのデビューアルバムの燃料になったものについて、「僕はたくさんの時間を、インスタントコーヒーの大きな瓶とクラッシュのファーストアルバムだけで過ごしてた。何度も何度も繰り返し聴いていたよ。」と語っている。本作はサウンド的にはパンクロックというよりむしろパブロックなのであるが、言葉においてはパンクロック的な"噛みつき"に溢れていることがわかる。アルバムの冒頭の「Now that your picture’s in the paper being rhythmically admired(今や君の写真は新聞に載っていて、リズミカルに褒められている)」というオープニングのラインや、毒のあるヴァレンタイン・バラードの“Alison”は、コステロを彼の世代における最も鋭くて厄介なリリシストの1人として確立した。
(翻訳:辻本秀太郎、 原文へはこちらから)

参考として、「このアーティストのアルバムが500枚のリストに合計何枚ランクインしていたか」と「このアルバムの順位が前回版(2012年版)ランキングと比べてどう変わっているか」についても以下に調べてまとめています。

<ランキングに関するデータまとめ>
【2020年度版】
同アルバムの今回順位:430位
同アーティストのランクイン枚数:2枚(本作の他に、121位『This Years Model』)
【2012年度版】(前回版との比較)
同アルバムの前回順位:168位
同アーティストのランクイン枚数:4枚(本作の他に、98位「This Years Model』、166位『Imperial Bedroom』、 475位『Armed Forces』)

<感想>
 一番最初にエルヴィス・コステロを聴いたのが、映画「ノッティングヒルの恋人」の"She"だったものだから、最初はパンクの人だと思ってなかった。しかし、バディ・ホリーの眼鏡をかけて、キングオブロックンロールの名前を借りた芸名で出てきた男のデビューアルバムはやはり紛れもないパンク。そして、ジャズマスターとこの内股。もしやこの立ち方を発明したのはお前だったのか。日本人もたくさん真似してると思うぞ。
22歳で完成させたこのアルバムは、計24時間でレコーディングしたらしい。コンピューター技師として働きながら、妻も子もいて、クラッシュを聴きまくってパンクソングを夜な夜な書くコステロ、泣ける。
クラッシュからの影響については、特に"Watching the Detectives"でのそれがまさにという感じなのかな。レゲエのマナーを取り入れながらも、ものすごくキャッチーに仕上がっていてすごい。しかしそれにしてもこの曲、あまりにも歌い方が桜井和寿で少し笑ってしまった。
この人、1曲目がいきなりビーチボーイズ的コーラスで始まったり、"No Dancing"はロネッツの"Be My Baby"みたいに始まったり、音楽的引き出したくさん持っててパンク以外も大好きだったことがわかる。でも言葉が尖りまくりで、そこでバランスをとって、パンクの形に持っていってたのが賢いし格好いいなと思う。


いいなと思ったら応援しよう!