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小児はりがもたらすもの 一般論とその先に考えていること

こんにちは。
前回の記事で、これから人の根本的な潜在能力や、その人らしさを育む活動をしていきたいと書きました。
そして、鍼灸師・女性・母親である私はそれを「小児はり」や「お母さん(いろんなライフイベントを経て様々な変化と付き合っている女性)のケア」を通してやっていきたいと考えたわけなんですが、今回はじゃあ小児はりってなんぞや?っていうところを、一般的に言われている所と、実際やってみてその先にもたらせられると思うことを伝えたいと思います。

ということで、小児はりとは?です。
小児はりとは、一般的に知られている刺す鍼とは異なり、皮膚に刺入することなく専用の器具を使って皮膚をさすり、皮膚の刺激を介して身体の調子を整えるものです。

日本小児はり学会では、以下のように説明されています。

「小児はり」は一般的な「鍼」とは異なり、鍼を体に刺さず、専用の鍼具で皮膚をさする、あるいは皮膚にトントンと当てるだけの技法です※。
患児の症状に合わせて、効果が期待できる部位(経絡や経穴)に施術します。
その軽微な刺激はとても心地よく、施術中に眠ってしまう子どももいるぐらいです。施術時間は2分~10分ぐらいと短時間ですが、子どもをリラックスさせ、自律神経症状、夜泣き、疳の虫(かんしゃくやキーキー声)、便秘、消化不良、夜尿症などを改善します。また、近年では不登校や発達障害に対しても施術されています。
主に乳幼児から12歳ぐらいまでの子どもを対象に行われてきましたが、最近は子どもだけでなく、中高生、成人の自律神経症状や高齢者の認知症にも用いられ、その有用性が注目されています。

「小児はり」の作用機序については、現在、皮膚への触刺激による脳内伝達物質放出や自律神経反応の変化などについて研究が進められています。

※小児に対しては、主に上記の小児はりの技法が用いられますが、症状や疾患によっては、通常の刺入する鍼や灸が併用されることもあります。

日本小児はり学会HPより


実際に小児はりに使う器具

小児はりや刺さないはりに使われる器具は、ほとんどが金属製で、形状は用途によって棒状だったりイチョウ型だったり歯車型、ローラー型なども使い分けます。
あとは養成学校での練習に用いられる、プラスチック製の使い捨てタイプがあったり、代々小児はりをされている先生では、モグラの爪での施術をされている方もいらっしゃいます(施術していただいたことがあるのですが、小動物のツメのビジュアルはなかなか衝撃的でした笑)。

東洋医学的には、熱を引かせたりむくみを取ったり気を調えたり。西洋医学的には、触刺激や圧刺激を利用して自律神経やオキシトシン、ドーパミンの分泌を助けて気持ちを落ち着かせたり、かゆみや炎症のもととなるヒスタミンの抑制や、免疫細胞の活性化などで身体を快適にする効果があります。

あと、はりと言い切っておいて何ですが、小児はりにはお灸も含まれます。冷えがある場合はやっぱりお灸も効果高いので。ただし小さいお子さんは火に恐怖心があったり、急に動いてしまうと危険なので、火のついた線香を近づける、という方法が多いです。
4〜5歳以降のおとなしく座っておける幼児さんからは、台座灸も使います。

そして臨床をしていて思う、小児はりのもう一つの効果。
それは、小児はりを受けてもらった親子の愛着が増えたり、子どもへのまなざしが心地良くなったり、時にはものごとの捉え方が変わるということです。

まずお子さんに小児はりをしようと思ったら、当たり前ですが保護者の方(多くがお母さんなので、以下お母さんとします)が連れてきて、お母さんの悩みを聞かなければなりません。
その子育ての悩みから、そのお母さんが大切にしている「価値」に触れられる時があります。
問診をする中で、お母さんがお子さんの悩みを通して、お子さん自身をどう捉えているかも聞くことになります。

例えば、夜の寝つきが悪く、寝かしつけにかなりの時間がかかる悩みがあったとします。まだその日のうちに終わらせたい家事もあるし、子どもの睡眠時間が少なくなるのも心配ですね。
この大人にとっては困る、悩みとなる行動だとしても、子どもの行動には必ず理由があるので、一旦大人の都合は置いておいて、それを子ども目線で一緒に感じてみる、理由を探してみるんです。
もし「寝たくない」理由があるとしたら何だろう、と。だって、常日頃早く寝かせたいと思っていて相談に来られるお母さんは、既に子どもが快適に眠れるように、しっかりご飯を食べさせ、お風呂の時間も気をつけて、寝室を寝やすい万全の環境に整えているので、本来子どもは一日遊んで疲れたら寝るものです。
それでも寝るのが勿体無い程の理由があるなら、一体何があると思いますか。
これを聞くと大体のお母さんは一度返答につまります。だって、寝れないことはあっても寝ようと思ってないなんてあまり考えないですもんね。

もしどうしても考えが浮かばなかった場合は、例えばですけど、「もしかしたら子どもにとって、いつもせわしなく動いているお母さんが、寝る前なら唯一自分だけをみてくれる時間になっているとしたら?」という視点を一緒に想像してもらいます。
子どもにとってその時間が、大好きなお母さんとゆっくり過ごせる一日のボーナスタイムなのであれば、テンションアゲアゲです!やすやすと眠るわけにはいきません!!そしてなんと、そうやって騒いでいたらどんどんお母さんが構ってくれるではありませんか!大きい声ですごい寝ろ寝ろ話してくれる!なんて嬉しいのでしょう!
という気持ちでもう一度お子さんを見てみるとどうでしょう?
そう、つまりただあなたのお子さんはとても賢いのだけなのです。ちゃんと甘えられる時間を理解していて、人の愛情を感じ取れて、あなたに愛情を惜しげもなく注げる素晴らしい存在であること。そして、そんな風に育っているということは、そのお母さんが大切にしてきた価値は間違ってなくて、いい子育てをされている証拠なんです。

そういうお話をすると、お子さんに潜在的に困らされていると思っていたお母さんは、その夜からは子どもが寝れなくて困る、から、子どもが必死に愛情表現してくれている、と思える部分も増えていきます。夜のボーナスタイム以外にもボーナスタイムを作ったり、お話ができるお子さんなら他にも甘えられる時があるから夜は寝てほしい、とiメッセージで伝えたり。子どもはそうして一番欲しいことが他で満たされることが分かると、あえて夜寝ないことのメリットは無くなるので、寝るようになります。

そしてもちろん、身体に緊張がある、自律神経の切り替えが上手くいかない、眠りが浅いなどの「寝れない」理由には小児はりが効果は抜群なので、しっかりそのお子さんの状態に合わせて施術をして、夜しっかり寝たくなる状態になれるようお手伝いしていきます。

子どもの身体をケアしに来たつもりだけど、何か子どもへの味方もいい方へ変わってしまっていないか・・・?!私が小児はりの施術を受け、学び始めた時の感想です。

いかがでしたでしょうか?
主観的な部分も多かったと思いますが、小児はりって何だか面白そう、と思っていただけたら嬉しいです^ ^


最後に
私の始めた出張鍼灸・整体のご案内です!
神戸市中央区、灘区、東灘区で小児はりと大人の鍼灸治療&整体の出張施術をしています。(阪神沿線なら別途ご相談で可能)
もしお近くでお子さんの身体のメンテナンス、病院では様子見でと言われたけど気になる悩みや困りごと、大人の施術をお探しの方は、元気になるお手伝いをさせてもらえると、私も嬉しいです。

はり灸ここはぐ
お問い合わせはLINEからお待ちしております↓↓
https://lin.ee/6uLguhX

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