『立冬』~冬の過ごし方のコツ~
もうすぐ暦は『立冬』となり、冬の始まりですね。
東洋医学で冬は「陰の気」が一番増える時期と言われ、次の季節の春に向けてエネルギーを溜める時期でもあります。
今回はそんな冬を不調なく過ごし、春に向けて力を蓄えていく過ごし方をお伝えします。
冬は陰の季節
初めに、「陰の気」って何?と思った方もいると思うので陰についてお話します。
東洋医学の考えに「陰陽」という考えがあり、
【陰】は暗く冷たいイメージで【陽】は明るくあたたかなイメージです。
お互いにバランスをとりながら共存していて、正反対どうしで相手がいないと成り立たない関係です。
影と光、夜と昼、女性と男性がそれぞれ陰と陽にあたります。
体で例えると陰陽は次の通りです。
【陰】下半身、お腹、内臓、冷え、慢性、顔色が暗い
【陽】上半身、背中、皮膚や筋肉、ほてり、急性、顔色が明るい
そして身体での【陰の気】の働きは、熱を冷ましたり潤いを補給すること。
陽が増えると体がほてり肌が乾燥する、陰が増えると体が冷え肌が潤うといったイメージです。
陰の気が増えると文字通り『陰気』な人間に近づいていきます。これからの冬は、寒く日照時間が少なくなるので陰の力が強くなる時期。陰の気が増えると、冷える、ネガティブになりがち、ダラダラ力が入らずスイッチが入らない、といった状態になりやすくなります。
マイナスイメージな陰の気ですが、実はこの陰の気をいかに春までに蓄えておけるかが体調を良く保つ秘訣になります。
冬が明けて春になると、暖かくなり植物の芽が出て勢いよく育っていきます。私たちも春になるとウキウキしたり活発に行動したい気持ちになります。それは冬の間に蓄えた『陰の気』を使って生命力を爆発させて成長・発達しようとするからです。
陰を補充する冬の過ごし方
冬は陰の気が増える時期と言いましたが、陰の気は活動していると少しづつ消費されていくので、無駄な消費を抑えていくことが冬に必要な過ごし方です。
僕自身冬の過ごし方に失敗し1年中体に不調が出続けたこともありました。原因は豪雪によって朝晩雪かきに追われ睡眠時間もあまりとれずに疲弊したことでした。要は身体を使いすぎて汗をたくさんかき、休養が取れていなかったということです。
その年は冬に激痩せしたせいでずっと元気が出ず活力も湧かず、謎の皮膚の荒れがずっと続きました。皮膚が良くなるまでに半年以上かかりましたね。
身をもって知りましたが、冬の過ごし方で次の春からの1年の体調が決まるので慢性的な体調不良がある方は特に次の5つを気にしてみてください。
【冬の過ごし方のコツ】
早寝遅起き
汗をかきすぎず静かに過ごす
潤いを補給する
下半身を冷やさない
日光浴をする
①早寝【遅】起き
普段は早寝早起きして生活リズムを作る事が健康の秘訣と言われますが、冬だけは例外で【遅起き】オッケーなんです。
冬は陰が増える時期、すなわち夜が長い時期なのでたくさん睡眠を取り陰の気を増やす必要があります。陰の気は活動していると消費されます。増やすためには、『陰の時間帯に寝る』ことが大切です。夜更かしはご法度だし、朝はゆっくり過ごしていて大丈夫なんです。
②汗をかきすぎず静かに過ごす
僕の失敗談でも話しましたが、大量の汗をかき体を使い過ぎることは陰の気の消耗が特に激しくなります。冬はあくまでも『蓄える時期』なので、無理はせず穏やかに過ごすことで体の不調を遠ざけることができます。
③潤いを補給する
冬は乾燥する季節です。陰の気陰の気と言っていますが、体の水分も陰陽でいうと陰に含まれます。『潤い補給』=『陰の気補給』ということなのです。潤いと聞くと肌や髪を思い浮かべることが多いと思いますが、体の水分の事なので全身に潤いを補給する必要があります。
潤いの補給の為に、リンゴ・みかん・まいたけ・レンコン・水菜などを意識して食べるようにしましょう。
④下半身を冷やさない
冬は寒くなり冷え対策をしなければいけませんが、特に下半身はしっかりと寒さ対策をしましょう。中でも『足首とふくらはぎ』は冷えると内臓も冷えやすくなるので寒さから守りましょう。くるぶし周辺には腎臓や膀胱のツボもあるので冷えすぎるとトイレが近くなり、腰や膝の不調を招きます。睡眠の質が悪かったり足がつりやすい方は、レッグウォーマーをして寝るようにしてみてください。
⑤日光浴をする
夜が長く陰の時間が長い冬は、日照時間が短くセロトニンというホルモンを分泌しにくくなります。セロトニンは精神を安定させるホルモン。天気が悪い時に気が滅入るのは、日光に当たれずこのホルモンの分泌が少ないからです。日光に当たるとホルモン分泌が促され、活力が湧き体内時計がリセットされ生活のリズムも整うので冬の間は意識的に日光浴をしましょう。
冬は春への準備期間
冬の過ごし方のコツ、いかがでしたか?
冬になると調子が悪くなる、慢性化している症状がある、体質を改善する生活をしてみたい、そんな方は是非参考にしてみてください。
四季折々で環境も過ごし方も変わるので、ちょっとしたコツを覚えておくと自分の体や気持ちに対してモヤモヤすることも減ってくると思います。
身体の声を聴いて逆らわずに生活をすればきっと不調は減っていくはずです。
【季節の養生】始めてみませんか?
Amanoteでした