【M-1グランプリ2023】個人的感想と採点。そして優勝予想の答え合わせ。
ようやく今年のM-1グランプリが終わりましたね。当日は友達の家で集まって見ていたこともあって、お笑い好きのフォロワーさんから「トマトくんの感想ツイートがないのが寂しい」と言われてしまいました💦
今までは準決勝の感想のみnoteに投稿していたのですが、今年は決勝も書いててみようかなと思います。準決勝のネタとは違うネタを披露した組も結構いたのでかなり楽しめました。今年は感想のついでに優勝予想の答え合わせもしていきます。
ちなみに一般人が芸人のネタに対して点数を付けるなんてご法度なんですけど、あとから見返したときに当時の自分の感性を残しておきたいので、感想とともに点数もつけておきます。
なるべく上から目線にならないように、あくまで1人の観客としての見解を述べていきます。殴り書きの拙い文章ですが、よろしくお願いします。
令和ロマン『恋愛漫画』 89点
今年も初出場のコンビがトップバッターを引いてしまうジンクスが立証されてしまいましたね…。初っ端から令和ロマンの名前が引かれたとき悲鳴上げましたよほんと。
テーマは、少女漫画でよくある遅刻しそうな女子生徒と、転校生の男子生徒が曲がり角でぶつかるアレ、学校はどこ?。という割とオーソドックスな題材ですけど、メタ要素や着眼点も含めてすごい面白かったです。またコント漫才を主流としてる令和ロマンが、まさかのしゃべくり漫才を披露したことにも衝撃が走りましたね。
まず最初のつかみに1分近くかけて、ゆっくりとお客さんをこちら側へ導く能力がすごい。序盤からとんでもないパワーがありましたね。中でも「松井ケムリさん率いる皆さん」からの「それをマジで全員で考えたくて…」といきなりしゃがみこむシーンで「決まった!」と思いました。なんなら登場の瞬間からFoooo!!と歓声が上がっててびっくりしましたよ。初登場なのにもう令和ロマンのホームじゃないですか!技術的な面だけじゃなく、芸人としての人気も含めて、もう令和ロマンの独壇場でしたね。
何よりもくるまがすごい自然体で、思いついたことを適当にダラダラ喋ってるようにすら見える。まるで「今その場でネタを作りあげてる感」が凄まじかったですね。いわゆるフリートーク漫才と言うべきか。
新しい学校のリーダーズのような時事ネタなんかもあったりして、もう台本なんて無いんじゃないかと思わされるような、と言うかトップバッターだからもうふざけてるんじゃないかと勘違いしてしまうような、その脱力した雰囲気が会場の全てをぶち壊していてかっこよかったです。
そもそもM-1グランプリという大会はずっと昔から競技化してきていて、とにかく「4分間の間にどれだけのボケを詰め込めるか」「莫大な練習量を認めてもらえるか」を競うものになっていたので、このネタ特有のライブ感があまりにもM-1っぽくなくて…!!!
ネタを見ている最中は爆笑しながらも、「なんかM-1のネタっぽくないな〜」と少しモヤモヤしていたので、僕は89点にしてしまいました。正直、すしざんまいと女将さんのくだりは普段ならウケるんだと思いますが、少しくどいと思いました。
まぁ結果的に後から出てくる“しっかりネタ作りこんで真面目にやってる組”が負け続けていたので、これは完全に作戦勝ちだったなと思います。最後の最後で発した「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」というワードがめちゃくちゃ好きでした。
以外、準決勝の時点での予想。
本命の優勝予想には挙げませんでしたが、一応準決勝と違うネタをすれば優勝も有り得るということや、チャンピオンになっている姿が想像できると予想してるのは偉いですね(自画自賛)。
毎年チャンピオンは何かしらドラマ性や史上初の快挙・大会記録を更新したりするのですが、流石にトップバッター史上最高得点、21年振りのトップバッター優勝、最短芸歴優勝は読めませんでしたね…。(2017年 準決勝最多出場&ラストイヤー、2018年 史上最年少、2019年 史上最高得点、2020年、最下位経験者、2021年 史上最年長、2022年 史上初のタイタンからの優勝…)。
また今思えば、去年の敗者復活戦でオズワルドに敗れて惜しくも2位だったことや、その影響でか今年の敗者復活戦のルールまで変えてしまったことも、かなり令和ロマンにとっては「ドラマ」になっていたのかもですね。
シシガシラ『コンプライアンス』86点
細かいコンプライアンスが厳しいなかで、なぜか「ハゲ」だけが許されているというネタ。令和ロマンの後だったのが可哀想ですね…。準決勝の感想でも書きましたが、容姿いじりネタなのに何故か時代にも合っているフォーマットなのは結構好きです。
ただ前の組の令和ロマンがお客さんを巻き込むようなライブ感のあるネタを披露したんだから、シシガシラも敗者復活戦のネタをしてほしかった…というのが本音です。
しかもこのネタが「ハゲ」というワードで笑いを取るのに対して、敗者復活戦のネタは「ハゲ」というワードをほとんど使わずにウケをとるハゲネタ。新しさや、技術的な要素で言っても明らかに敗者復活戦のネタの方が良かったですね。
ただ後々語っていたのですが、「ダンビラムーチョやモグライダーとの歌ネタ被りを避けた」とも言っていたので、それが本当に勿体ない!!!!だからこそ先に披露しなきゃダメだよぉ〜!!!
もしシシガシラが敗者復活戦のネタをしていたら、その後の大会の空気もかなり変わっていたと思うし、歌ネタでワンクッション挟んでいたのでダンビラムーチョやモグライダーももっとウケていたと思います。
さや香『ホームステイ』93点
ブラジル人留学生のホストファミリーに応募したのに、自らホームステイを飛ぶというネタ。かなりかかっているように感じましたが、今回のM-1の舞台においてはその気迫はプラスになってましたね。お客さんの空気がめちゃくちゃ重かったので、「こっちだー!俺たちで笑えー!」って感じでもう無理矢理笑わされているような。
正直、さや香は去年準優勝のハードルがめちゃくちゃ高いので、始まる前からお客さんも身構えてしまうはずなのに、しっかり1stラウンド1位で通過するのがかっこよすぎる…。最初のボケまでが少し長い分、オープニングからもう喋りながら出てくることでつかみとして機能させているのがもう凄すぎますね。
ただ前年の『免許返納』に比べて展開が少なすぎるんですね。『免許返納』では「老いを感じたから免許返納した→○○できるやつはまだいける→親父に運転させている→親父81→滋賀県は出れるけど入れやん」に比べて、今回は最初から最後までホームステイ飛んでいいかダメかのやり取りしかしてないんですよね。フォーマットが前年と同じゆえに構成力で見劣りしてしまった面も。
特に思ったのは「なぜブラジルの言語を勉強してまで留学生のホストファミリーに応募したのに、緊張くらいで黙って飛ぼうとしているのか」。ここにリアリティが無かったのが勿体なかったですね。もっと根本的な部分を掘り下げて新山には制止してほしかったです。あとなにわのライト兄弟のくだりは強引でしたね。
さや香的には『見せ算』がゴリゴリの勝負ネタだったみたいで、劇場でも『見せ算』のネタばかり掛けていたらしいので、こっちは捨てネタだったというのが勿体なさすぎる。ところどころ強引な話運びもあったので、もっと仕上げてきていたらかなりの最高得点を記録していたはずです…。
松っちゃんはコメントで「令和ロマンは超えてないかな」と言っていましたが、確かに一理あると思います。ただ絶対に勝ちたいという気迫や、お客さんを掴む技術も込みで見るのなら、高得点なのも納得です。ただ松っちゃんが89点付けた時点でさや香に優勝の目はないと思いましたし、令和ロマンに風が吹いているように感じましたね。
以外、準決勝の時点での予想。
最終的には本命の優勝予想には挙げなかったけれど、正直今年はさや香の年になるもんだと思ってました。色んな意味でその通りでしたけど。
カベポスター『おまじない』87点
おまじないと見せかけて、校長と音楽の先生の不倫を揺すぶって叶えているというネタ。定番のあのつかみがあまりウケてなくてヒヤッとしましたね。まだ会場が温まりきってないのもあってか、全体を通して浜田の不安な感じが伝わってきましたね。僕はテレビでネタをしてる芸人が緊張していることに気付いてしまうと、一緒になって緊張してあんまり笑えなくなってしまうタイプなんですよね…。だから87点…。
カベポスターは小説のようなネタが多くて、お客さんに「聞かせる漫才」なんですが、内容をしっかり耳に入れて咀嚼しながら楽しむ要素が強い。だからこそ静かな瞬間も多いし、咀嚼の段階で先の展開を予想出来てしまったりする。
爆発するときはするけど、諸刃の剣みたいなイメージがあります。芸風が競技漫才のそれではないというのも相まって、今年のライブ感の強いM-1の舞台では少し浮いてしまってるように見えました。
だから本来「くるぞ…くるぞ…」→「ずっゼリ」→「キターーーーーー!」という流れすらも、「ほらきたきた!やっぱりね!」となってしまったりする。これは先が予想できてしまったから。ボケ数を増やすか何かして、こちら側の考える時間をもっと省いてほしかったですね。
あと上品だけど少し機械的な芸風なのに、ラストで「ドロrrrロロやないか!」って盛大に噛んでたのが人間らしくて好きでしたよ。そしてそこが一番ウケてたのがあまりにも皮肉すぎる。
マユリカ『倦怠期』88点
これはめちゃくちゃ良いネタでしたね!予想記事でマユリカのネタは気持ち悪さが先行してしまう可能性があるから不安と言っていたんですけど、まさかこんなマユリカの入口のようなネタがあるだなんて!かっこいい!
顔見せというか、自己紹介というか、マユリカらしさを残しつつマユリカすぎないネタ。しかも、煽りVの「ずっとキモダチ」がめちゃくちゃウケてて、つかみにもなっている。どれだけ気持ち悪いネタをしても、始まる前からお客さんが笑いやすい環境になっていて、不本意ながらもズルいと思ってしまいましたね!笑
そしてラストの「ズッキンズッキンプッチン不倫です。ポンピーン♪」からの盛り上がり方が凄まじかったですね。マユリカってこんなにしっかり賞レース向きの漫才が作れるんだ!と驚きました。
ただ気になったところもいくつかあって、例えば中谷の方から「結婚したら倦怠期が心配」と言い出しておきながら、コントインすると何の躊躇もなく無条件で妻の役を演じ始めたのが不思議すぎて…。マユリカの芸風を知らない人からしたら、最初は「どっちが男形で、どっちが女形なんだ…?」と困惑したと思います。
そして倦怠期がテーマなのに、後半は不倫の話にすり変わっているし、そもそも倦怠期なら不倫されていようがもうどうでもいいはずなのに、あそこまで中谷が必死に怒ることに対してそこまで真実味を得られなかったんです。面白かったのに88点の理由はこれです。
ヤーレンズ『大家さん』92点
引っ越しの大家さんへの挨拶を練習するネタ。正直もっとウケてほしかった!!!このネタは656点で留まるようなネタじゃない!!!いや!全体的にはウケてたけど、明らかに爆発するべきところが全然爆発してなくて、すごいモヤモヤしました。猪木のくだりなんて準決勝だと拍手笑いが起きてたくらいなのに。苦しい!
いやまあそれでもめちゃくちゃウケてたし、面白かったんですけどね。アンタッチャブル、高田純次、インディアンス、NON STYLE、Hi-Hiを彷彿とさせる小気味良いボケの畳み掛け。しかし、ボケだけでなくて出井のノリツッコミでも笑いを取ろうとする貪欲さが好きなんです。Netflixのくだりが爆発したのはまさにそれですよね。
個人的には一番意味の分からない「しゃがんで立つ!」が死ぬほど好きです。
以外、準決勝の時点での予想。
予想記事で「まだ芸風が完全に認知されていないのが不安要素」と語っていましたが。今回は知られてないことが有利に働くパターンでしたね。まだこんなに面白いコンビが居たんだ!と。
2003年の敗者復活戦で上がってきたアンタッチャブルや、2007年のサンドウィッチマン、2008年のオードリーを彷彿としましたね。旧M-1なら確実に1位を取れるし、優勝できるネタだったと思います。
真空ジェシカ『Z画館』91点
めっちゃウケてましたね!最初の「手の喧嘩を顔で仲裁するボケ」で噛んだ瞬間、一瞬だけ心が離れてしまいましたが、それでもその後のボケのクオリティ・大喜利力が高すぎてみるみる引き込まれていきましたね。
特に終盤の「三谷後期高齢者」と「映画泥棒が勝った」のくだりが連続して爆発したあたりでは「これはファイナル行ったぞ!」と思いました。その後の「新海嘘監督作品 君の名前はなんだろな?feat.青山テルマエ・ロマエ 27倍速」のくだりが、長いうえに思ったよりもウケなかったのが勿体なかったですね…。
僕的には2年前に披露した『一日市長』のネタがめちゃくちゃ好きで、「ハンドサインでヘルプミー」や「ミッキーは1人」のような、一瞬「ん?」ってなるけどじわじわと後から笑いの波が押し寄せてくるようなモノを真空ジェシカには求めてしまいます。
ちなみに映画垢をやっている僕がこういうこと言うのもあれですけど、ああいうやばい映画館は探せば全然普通にあります。(ないです)。
ダンビラムーチョ『カラオケ』90点
大原が副業でカラオケを始めたという話。嘘だと思われるかもしれないんですけど、冗談抜きで準決勝で一番ウケてたネタなんですよねこれ。去年の敗者復活戦の『生きとし生けるもの』の大爆発や、真空ジェシカ川北がバラエティで『ヨーデル』のネタを散々擦っていたのもあって、準決勝の舞台ではかなりダンビラムーチョに追い風が吹いていましたね。
だから本来の面白さを知っているので、僕は普通に今回も笑ってました。だから余裕の90点です。もちろん笑いながらも「あれ?あんまりウケてないな…?」とは思ってました。
と言うのも、決勝の舞台と準決勝の舞台は客層が全然違うので、自分たちがどのような芸風のコンビなのか知られてない状態でいきなり「天体観測」を歌い出したらそりゃこうなるよなぁ〜っていう。
大爆発している光景を知っているからこそ、今回の結果がめちゃくちゃ悔しくて悔しくて…。松っちゃんは「天体観測」のツッコミまでが長いと言ってましたが、本来は「いつまで歌ってるねん」という状況ですら笑いになってるんですよ。過去には2006年のフットボールアワーが歌ネタでそういうボケをしてましたし。
伴奏の再現度もめちゃくちゃ高いうえに、「天体観測」をよく聞いた世代からするともうその癖の強さがたまらない。玉置浩二モードのパートなんてめちゃくちゃ似てる上に、その誇張の仕方が面白くて大爆発するはずなのに意外とお客さんには伝わらなかったですね。まさかの一番ウケたくだりが『アイドル』って笑笑
せめてつかみで何かひとボケ挟むだけでも全然違ったはずなのに、もーーーー!!!ほんとに勿体ない!!なんだかんだ今年のM-1は、しっかりつかみがウケた組が順当に上位にいますね。
以外、準決勝の時点での予想。
ダンビラムーチョはガッチガチの優勝予想に挙げてましたけど、しっかり杞憂が当たりました。我ながらこわいです。
くらげ『思い出せないこと』85点
この風貌でサーティワンアイスの種類や、サンリオのキャラクターを把握しているという面白さはあれど、今年のM-1においては羅列系は全然ダメでしたね。まぁ松っちゃんの言ってた「ミルクボーイを思わせた」が全てだと思います。絶対にもうミルクボーイは越えられないのでね。
そして何度も言いますが、今年のM-1は「ライブ感」が強いんですよ。だからこういう練習量の見えるシステム漫才は、あまりウケないんですよね。面白いよりも、凄いが勝ってしまう。絶対に失敗できないという緊張感も生まれてしまうし。
ただ通常は「ジャニーズJrの名前を列挙するパート」があって、それがめちゃくちゃ面白いのに、やはり今年は色々あったせいでしっかり削られていて悲しかったです…。
以外、準決勝の時点での予想。
モグライダー『空に太陽がある限り』87点
優勝候補とすら言われていたのに、色々と不運が重なりましたね〜。序盤の芝がお手本で歌うパートはめちゃくちゃウケてたんですけど、途中からともしげがガッチガチになったあたりからもうダメだと思いました。歌ネタって即興性があって、ナマモノ感の強いものなのに台本が見えまくりでしたもん。
これは出順が10組目で待ち疲れていたり、緊張しまくっていたこと。そして2つ前のダンビラムーチョが歌ネタで振るわなかったことが原因だと思います。ダンビラムーチョよりも前で、かつ5組目くらいに出ていたら丁度脂も乗っていて最終決戦に残っていたと思います。
そんなことより、ネタ終了後の緊張を「浣腸」と言い間違えるくだりがネタ本編より面白すぎましたね。今年はみんな噛み散らかしてて、なんか久々にM-1の魔物が現れた感じがしましたね。
以外、準決勝の時点での予想。
ファイナルステージ
個人的な好みは置いておいて、会場のウケ量を考えれば割と納得の3組がファイナルステージに進出した印象です。
ただ松っちゃんがさや香へのコメントで「令和ロマンは超えなかった」と言ったり、最終決戦の三組が決まったときに「令和ロマンはどっちもトップですごい」「過去にトップで優勝した人はいたっけ?」と、何かと令和ロマンがトップバッターで優勝してもおかしくないというような、トップバッター優勝の空気を作ろうとしている発言が見受けられたのが印象的でした。
正直、もうこの段階で令和ロマンの優勝は決まったも同然だと思いました。会場の空気が完全に令和ロマンに飲まれてましたからね。
令和ロマン『町工場』95点
ここにきて今大会史上最大の爆発。再びつかみに1分近くかけてましたね。全ボケ全ツッコミ、何もかもがウケていてびっくりしました。もう笑いすぎて死ぬかと思いましたよ。もし1stラウンド中盤に出てきてこのネタを披露してたら670点くらい付いたんじゃないかと思ってしまうほどです。
ベタなボケ、メタなボケ、シュールなボケ。面白いマイム、面白い表情、面白いイントネーション、面白い言葉選び、面白い話運び。もう何もかもが完璧で、天才でしたね。とにかくルール無用というか、色んな角度からのボケが飛んでくるので全然飽きないんですよ。
そして1本目のネタに比べてしっかりケムリのツッコミワードでも笑いを取っているのも良かったです。「吉本興業にこんな人はいます」が大爆発だったし、こんなものを見せられたらそりゃ優勝するでしょう!
つかみに時間をかけなければ他にどんなボケがあったのかとかめちゃくちゃ気になるし、2本目なのに「まだまだもっと見たい」と思ってしまうようなネタだったのがもう最高でしたね。
ヤーレンズ『ラーメン屋』90点
去年の準決勝・敗者復活戦で披露したネタをさらにブラッシュアップさせてましたね。「バナナと言ったら丸美屋」からの「湯切りかっこいいんだけど」のくだりは爆発しましたが、それでも明らかに1本目よりボケ数が少ないし、ひとつひとつのボケの強度も下がっていた気がしました。
ツッコミの出井が、楢原のボケにノるくだりも少なくて、物足りなさも感じました。ツッコミのワードでも笑いを取ろうとした令和ロマンの後だってのも含めて、少し可哀想でしたね。
ただあそこまで票が拮抗したことは納得なくらい面白かったには面白かったです。準決勝おめでとうございます!
さや香『見せ算』86点
いや、なんか世間では滑ったみたいな言われてますけど、普通にめちゃくちゃ面白いですよこのネタ。映画界隈ではよく言われている「意味がわからないからと言ってつまらないとは限らない」がまさにこれなんですよ。
ただね!!ただ!!M-1でするネタではないんですよ!!!!それだけなんです!!!去年決勝の舞台で披露したネタが『免許返納』で、2本目が『男女の友情』。そして今年の1本目が『ホームステイ』と、しっかり2人の掛け合いによって笑いを起こすネタなんですよ。そして今年の2本目がこの『見せ算』!
面白い面白くない以前に、お客さんも審査員もテレビの前の視聴者も、誰もこんなさや香も求めてないんですよ。見たかったさや香はこれじゃないんですよね。しっかり見たら面白いかもしれないけれど、いつものさや香じゃないから、もう始まった瞬間に「あーこれはダメだ」って誰も聞く耳持たなくなってしまう。内容どうこうではなく、これが今回の敗因の全てだと思います。
いや、僕はめちゃくちゃ好きでしたけども!!
個人的採点表と全体的な感想
95 令和ロマン『町工場』(2本目)
93 さや香『ホームステイ』
92 ヤーレンズ『大家さん』
91 真空ジェシカ『Z画館』
90 ダンビラムーチョ『カラオケ』
90 ヤーレンズ『ラーメン屋』(2本目)
89 令和ロマン『恋愛漫画』
88 マユリカ『倦怠期』
87 カベポスター『おまじない』
87 モグライダー『空に太陽がある限り』
86 さや香『見せ算』(2本目)
86 シシガシラ『コンプライアンス』
85 くらげ『思い出せないこと』
ということで、改めて令和ロマン優勝おめでとうございます!久々に100%納得のチャンピオンが現れました。
トップバッターで出たときから優勝の瞬間まで完全に空気をものにしていましたし、圧巻でした。絶対来年も2連覇をかけて挑戦してほしいです。記念すべき20代目のチャンピオンが令和ロマンの2連覇ってめちゃくちゃかっこいいと思うので頑張ってください!
以上、最後までご愛読ありがとうございました!