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自分はサラリーマンに向いてるって、ずっと思ってた。

フリーランスになって3年くらいになる。

クリエイティブ系の職場にいたので、会社を辞めてフリーランスになる人は一定数いた。幸せそうに伸びやかに働く元同僚を見ていて「良かったな」と思う一方で、どこか自分には縁のない「遠い世界のこと」とぼんやり感じていた。

サラリーマン向きの人間だと思っていた理由

私はサラリーマン向きの人間だと、ずっと思っていた。

なぜって、とりたてて突出した才能があるわけじゃないから。どちらかというと「早くて確実」という蕎麦屋の出前のような評を頂いていた。

それにキャラ立ちもしていない。元同僚(男性)は編プロを立ち上げて以来、目ぼしい人に会うたびに「300万ください」と厳かに土下座をして笑いを取っていた。フリーランスたるもの、これくらいキャラ濃くないといけないのか。。!とひそかに震えた。

脱サラした元同僚がよく指摘する、朝の通勤電車や会社の人間関係も、そんなに大きなストレスではなかった。というよりサラリーマンの安定は多少の面倒は帳消しにするくらいのメリットだと考えていた。

何よりレールの上を歩いて育ってきた自分に、レールを降りて立ち回れる才能があるわけないと思ってた。

サラリーマンを経て思う、フリーランスの最大の魅力

フリーランスになったエピソードはまた別の機会に譲るが、私はサラリーマンをやめることにした。

サラリーマン経験を積んだからこそ感じるフリーランスの最大の魅力は「自分のやりたい仕事に向けて、ペースの差こそあれ、着実に歩を進めていけるところ」だった。

サラリーマン時代にも「こういう仕事をしたい」というビジョンはあった。けれどそれが叶うことは稀だ。ビジョンに沿っていない仕事も、やり続ければ経験値は上がるし役立つ。それなりに楽しくも過ごせる。でも自分のやりたかったことは、いつまでたっても夢のままだった。

だからフリーランスになってからは自分のビジョンからブレないことを一番の優先事項とした。ビジョンと異なる仕事ならたくさんあるとおっしゃって頂くことはある。でもそこは、なるべくきちんと押し戻す。じゃないとサラリーマン時代と一緒だ。

フリーランスとしてのネックをどうするか

今は2人の子供の育児とそれに伴う大量の家事・雑事に、どうしても時間と行動制限を取られる。フリーランスとしてはネックとなる。

さらに追い打ちをかけるように、昨今のコロナ感染による影響(小学校の自宅オンライン授業や保育園の閉園など)で辞退を余儀なくされた新規案件も何本かある。

でもプライオリティを明確にして割り切ると、案外ストレスは少ない。特に母業は代わりがいないので(両親に頼れる環境には無いので)、ここで無理して詰め込むと家がひどい状態になり、生活が回らなくなることはよく分かっている。とてもじゃないが仕事に打ち込めるような環境じゃない。これは経験済みなので、もうある種の諦めがついている。マイペースでいくしかない。

フリーランスになって得られたもの

サラリーマン時代には山のように抱えていた雑務(パワポ資料作ったり、会議のはしごをしたり)から解放されて、モノづくりにじっくり集中できるのは幸せな環境だ。

また会社から離れた世界で色々な経験を重ねたり、メリハリのある生活をしているからこそ、作るものには以前よりも多面的な視点や表現を盛り込むことができると思っている。

noteも、フリーランスになってから始めたことの一つ。これまで個人の情報発信や受信のプライオリティは低かった。どこかで控えていたのかもしれない。あるいは、そんな余裕がなかったのかもしれない。サラリーマン道というレールから降りたことで、今まで見えなかった景色が見えたのは想定外だった。

最近はコロナ対策が後押しになりサラリーマンの働き方も劇的に変化した。サラリーマンとフリーランス、仕事と生活の境界線も曖昧になりつつある。今の私の目標は、自分の生活と「仕事」との距離を出来る限り縮めていくこと。せっかくレールから降りたならば、サラリーマン時代に叶えられなかったことに挑戦してみたいと思う。

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