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障害者雇用納付金と調整金について

今年度の障害者雇用状況報告に対応された(ている)かと思いますが
「なかなか不足が解消できない…」とお悩みの企業様も多いのではないでしょうか。

よく耳にする法定雇用率未達成の企業に対して支払い義務が発生する「障害者雇用納付金」と、雇用率を達成している企業に対して支払われる「調整金」についてお話しします。

障害者雇用納付金制度とは?

障害者雇用納付金制度とは、障害者の雇用促進と安定を図るために設けられた制度で、この制度の前提として「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」が定める「障害者雇用率制度(法定雇用率)」の存在があります。

民間企業の法定雇用率は2.3%となっており、常時雇用している労働者数が100名以上の企業では、法定雇用率以上の障害者を雇用することを義務付けられています。

障害者雇用促進法で定められた法定雇用率が未達成の企業から納付金を徴収し、そのお金を主たる財源として、法定雇用率を達成している企業に調整金や報奨金、助成金を支給する仕組みになっています。


障害者雇用納付金制度の概要

障害者雇用納付金制度は大きく4つのポイントに分けられます。


法定雇用率未達の企業から障害者雇用納付金を徴収
常用雇用数100名以上の法定雇用率を満たさない事業主に対して、
不足1カウントにつき月額50,000円の障害者雇用納付金が徴収されます。


法定雇用率以上の障がい者を雇用する事業主に対して調整金・報奨金を支給
支給額は以下の通りになります。

常用雇用者100名以上の企業:月額27,000円×超過人数分の調整金
常用雇用者100名以下の企業で、支給要件として定められている数を超えて
障がい者を雇用している企業:月額21,000円×超過人数分の報奨金


調整金・報奨金・給付金の支給
在宅就業障害者や、または在宅就業支援団体を介して仕事を発注し、 支払いをした事業主に対し、特例調整金、または特例報奨金が支給されます。
また、週10~20時間未満の障がい者を雇用する企業に対し、支給上限人数までの給付金が支給されます。


〇助成金を支給
障がい者雇用を行っていくにあたり、施設・設備の整備や、雇用管理のために 必要な措置などを行った場合、内容に応じて助成金が支給されます。
助成金には、以下のようなものがあります。

・障害者作業施設設置等助成金・障害者福祉施設設置等助成金
・障害者介助等助成金
・重度障害者等通勤対策助成金
・重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金


申告・納付を怠ったらどうなる?

障害者雇用納付金の申告、納付は対象となる事業主の義務であるため、申告書を提出しなければ障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用納付金の額が決定され納入の告知が行われます。
この場合、納付金のほかに、納付金の額の10%の追徴金を支払う必要があります。

また、納付期限を過ぎても納付金を納めない場合は、障害者雇用促進法の規定から順次手続きが取られます。
具体的には督促状が届き、その指定の期限までに納付されない場合、
国税滞納処分の例によって滞納処分が行われます。


まとめ

障害者雇用納付金制度は、障がい者を雇用していくことは企業が共同で果たしていくべき責任であるとの理念を基本としています。
障がい者を雇用していく側として、制度の意義を正しく理解し、障害者雇用の促進を社会全体で進めていきましょう。

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