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【映画感想】女神の継承

2時間超えのモキュメンタリー+ファウンド・フッテージオカルトホラー。

タイ北東部、精霊信仰が根強く残る村。
そこで繕いもの屋兼祈祷師をしているニム。

ニムの一族は女神バヤンの祈祷師を代々受継いできた。本来ならニムの姉ノイが先代祈祷師から代替わりする筈だったが、彼女は継承を拒否、そのため妹のニムが祈祷師を継いだ経緯があり姉妹の間に確執がある。

しかしノイの夫が病死した直後からノイの娘ミンが異変をきたしニムに助けを求めることに。


面白かったーーーーー。
ここまで全てがしっちゃかめっちゃかになると面白くてニコニコが止まらない。

長尺なのですが、ちょいちょい興味深いポイントがあったので飽きずに観れたのも大きいし、最後の混乱振りが半端なくてわくわくが止まらなかった。

ともかく女神バヤンと精霊信仰、火災後放置され廃墟と化した工場と、ロケーションと世界観が抜群に相性が良すぎる。

以下ざっくりメモ。
・冒頭の道端に石の魔羅(ちん〇)像が祀られていた。魔除けかな?
・祈祷師ニムのスタンスは意外と近代的。癌の人は治せないから病院へ行けと言う。彼女が行う祈祷はあくまで"良くない障り"による不調を治すもの。
・村の信仰は精霊信仰(ピー信仰)で荒神的側面もある。
・女神バヤンの由来は不明だが自然霊か祖先霊かどちらかか。
・ミンの寄行は日本でいう憑き物と同じ症状っぽい。ミンを演じた女優さん渾身の演技。コキっと首を倒す仕草やしゃかしゃか動き回る様子がほぼ動物。


・祈祷師ニムが祈祷を行う際に用意した卵の数よ……あれどう出たら正解なんだろうと思っていたら……。
・女神バヤンの祈祷は女性が継ぐものと決まっており、その代替わりの印は下腹部周りの不調と激しい頭痛。出血の量が半端ないんだが。 
・いっぬぅうううううう🐶
・廃墟の雰囲気、禍々しさ満載。あそこ真面目に心霊スポットなんじゃない?というくらいの抜群の場所過ぎた。
・女神像の首が折れていたのは何故か?
・祈祷師まさかの交代劇。


・おっ、ガムラン?。いいねぇトライバル大好き。お経は時々かっこいいトライバルなモノがある。
・お線香を逆さに!!!!!これ地味に衝撃。
・牛の頭と血を供物にする辺り、仏教より精霊信仰が強い設定なんだなと思う。

  • 結末はいろいろ考えられそうだけど、自分が推測したのは以下。  

・ミンの父親が死んだことで呪いのターゲットがミンへ移行(最後の直系生き残り) 
・畜生類(犬)の呪い(供養塚を建ててなかった)
・女神バヤンの継承のお告げ(こっちもミンが最後の後継者)を喰らった彼女の奇行が先の呪いと重なり手に負えない状態に。
・ミンに憑いた悪霊祓いの儀式が失敗し呪い返しがきて倍返し(ヤサンティア家に掛けられていた呪いも返された)
・女神バヤンの不敬をかった(ノイは許されなかった)ため女神バヤンの祟りも下る。
・祈祷師全滅、撮影隊全滅、ヤサンティア家が絶える

救いなしのバッドエンド(全開の笑顔)
ここまで徹底的にやってくれると面白くてたまらなかった。

『祈りの先に救いはあるのか?』
『祈祷師の存在とは?』

という問いかけがあるような気がしますが、それはそれで別に考えたい。

おしまい。

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