音階練習、なぜ必要?
音階練習、やってますか?
レッスンで聞いてみると、取り組めている方は少ないように感じます。実践していてもいつも同じいくつかの種類だけに限定していたり。
でも音楽の講師や部活の指導者って、みなさん「音階練習しましょう」って言いませんか?教則本を開くと音階が必ず載っています。ということはよほど重要であることはわかりますよね。でもめんどくさい。
なんでそんなに面倒な音階練習をしなければならないのでしょうか。それは、
譜読みが圧倒的に早くなるから
だと思います。
音階を理解することで得られるメリット=出現する音を限定できる
西洋音楽は基本的に調という概念で作られています。例えば、調号が何も付かない長調はC dur(= ハ長調、C major)と呼ばれ、ドの音(ハ音、C音)をリーダー(主音)として7つの音で構成されます。
調号が何も付いていないので、当然音階に出てくる全ての音にはシャープやフラットが付きません。
ということは、C durで作られた音楽を演奏する際、『シャープやフラットが出てくることは少ないだろう』と認識できます。
シャープやフラットがつかない音は7つあります(ドレミファソラシ)
シャープが付く可能性のある音は7つあります
フラットが付く可能性のある音は7つあります。
ダブルシャープやダブルフラットが出てくる可能性も全ての音にあります
そうすると、21種類以上ある音の中から、あらかじめ出現頻度が高い音7つを消去法で限定できるのです。これで楽譜を読むスピードは格段に上がると思いませんか?
同じように全ての音階には様々な組み合わせの7つの音で構成されていて、いわばそれらはそれぞれの曲におけるスターティングメンバーです。
音階の練習はめんどくさいかもしれませんが、全ての調を理解して、演奏できるようになったら、どんな曲が来ても苦手意識を持たずに演奏でき、譜読みも早くなります。何日も同じ曲の楽譜を格闘しなくても良くなるし、初見にも強くなれると思います。
音階は長調短調合わせて30種類。毎回の練習で違う調に数分取り組むだけでもかなりレベルアップすると思いますし、音階が構成される理論はそんなに難しくありません。トランペットを吹いていない時間に少しずつ楽典を開いたり調について教わったりするだけで理屈は簡単に覚えられます。
ぜひ音階練習、調の知識を手に入れて、譜読みを早く確実なものにしていってください!毎月開催している単発レッスン「ツキイチレッスン」でも音階についてのレクチャーや練習方法の提案もできますので、お気軽にお越しください。
荻原明(おぎわらあきら)