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メトロノームとブレスは相性が悪い
毎日7:30に荻原のTwitterアカウントと、Facebookの「ラッパの吹き方」ページで「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」というのを掲載しています。
先日こんなこと書きました。
メトロノームはテンポを瞬時に知るための道具であり、その絶対的なテンポに合わせて演奏するのは音楽として無理があります。例えば、ブレスは人間としても音楽としても絶対に必要ですが、楽譜上にそのための時間は書かれていませんしメトロノームも理解してくれません。#今朝の一言_ラッパの吹き方
— 荻原明(Ogiwara,AKIRA) (@ogiwara_a) February 10, 2023
そしてこんなことも。
メトロノームが活躍するのはテンポを把握する時と、限られた範囲の反復練習時です。メトロノームを鳴らしながら曲を通すのはNGで、ましてや複数人で合わせる際に使うと、各奏者がメトロノームに合わせようとしてしまい、お互いの音を聞かなくなってしまうのです。#今朝の一言_ラッパの吹き方
— 荻原明(Ogiwara,AKIRA) (@ogiwara_a) February 11, 2023
音楽の練習=メトロノームという構図、吹奏楽部にとても多い印象があります。何にしても練習する時はまずメトロノームをカチカチ鳴らす。
悪いことではないと思います。均一なテンポ感や、それぞれのBPMを感覚的に体に覚える力になりますので。
しかし、ずっと頼ってしまったり、どんな場面でも使ってしまうと当然弊害が生まれてしまいます。
ひとつは、呼吸との相性が悪い点。
楽譜には呼吸をする時間というスペースを表記する方法がありません。ブレスマーク( V とか ,みたいなやつ)は書き込まれることがあっても、その前後に休符がなかったらどこでブレスすればいいのか?という疑問が生まれやすいですよね。ブレスは場面によってもその捉え方が変わりますが、ブレスをすることに意識が向きすぎて、その直前の音の長さがあまりに短くなってしまう(休符が入っているように聴こえる)のはできれば避けたいわけです。ではどうすべきか、と考える間もなくメトロノームは無機質にカチカチ鳴り続けるわけです。
また、合奏など複数人で演奏する際にメトロノームを鳴らし続けると、奏者それぞれが「メトロノームに合わせよう」と意識することばかりが強くなり、隣にいる人の呼吸や表現などに無関心になりがちです。これでは本来のアンサンブルにはなりません。
理想を言えばテンポは奏者それぞれが自発的に生み出すものであり、その確認のためにメトロノームを数回カチカチしてもらうに留めたいところです。
ただし、反復練習などをする際にはメトロノームがあったほうが捗る場面もあります。
便利な機械は効率的に使うことが大切で、頼りすぎたり、習慣になって自発性を失ってしまうのは避けましょう。
という感じでした。
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荻原明(おぎわらあきら)
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