【7月3日(水)】東京音楽大学吹奏楽アカデミー専攻 春学期修了演奏会
講師をしております東京音大吹奏楽アカデミー専攻の春学期(前期)のまとめ演奏会を7月3日(水)に開催いたします。
どうしても授業時間内での実施のため、平日の少し早い時間帯の開催で、ご来場いただくのが難しいとは思いますが、お時間がありましたらぜひお越しください!
真剣にポップスと向き合います
吹奏楽アカデミー専攻は、吹奏楽を軸として多角的に音楽を学び、それぞれの将来の進路を目指していくことができる新しい専攻です。演奏者や指導者、教員などを目指すための必要とする知識、スキルを身につけていくことができます。
吹奏楽の世界では部活動でも欠かすことができないポップスジャンルの音楽があります。ややもすると奏者たちが演奏することに対して主観的に楽しんでまう構図になりがちな吹奏楽ポップスですが、奏法やスタイルを学び、吹奏楽でポップスを演奏する意味を考え、聴いてくださる方も楽しめる演奏になるにはどうすべきか研究し、合奏に取り組んでいます。
そうした場面で欠かすことのできない先生が吹奏楽アカデミーにはいらっしゃいます。ニューサウンズインブラスでも沢山の編曲作品を書かれていらっしゃる特任教授の星出尚志先生。その星出先生作品の中から今回はジャパニーズ・グラフィティシリーズの「美空ひばりメドレー」と「ドリフメドレー」を演奏します。
今の大学生は世代的に当然美空ひばりさんが生で歌われている姿も、ドリフターズのリアルタイムでの放送も知りません。教員にとってはクリーンヒットの世代の人がほとんどなので、個人的には楽しくてしょうがないんですが笑
そんな学生たちがポップスに真剣に向き合って演奏する姿をぜひ会場でご覧いただければ幸いです。
3つの邦人作品
そして、今回は吹奏楽アカデミーの教授で作曲家の中橋愛生先生の「氷結の花 -吹奏楽のための」、同じく特任教授で作曲家の天野正道先生の「Alas de Hierro〜虚空に散った若き戦⼠たちへの鎮魂歌〜」、そして、昨年度も作品を演奏させていただいた北爪道夫先生の「吹奏楽のための 風の国」を演奏いたします。
中橋先生の作品は非常に色彩感豊かな、まるで絵画を見ているかのような印象を受けます。今回演奏します「氷結の花」も独特なハーモニー(実はとてもシンプルなハーモニーなのですが)から生まれる音楽をお楽しみいただければと思います。
北爪先生の作品「風の国」も、「風」をテーマに音の強弱の付け方やハーモニー、そして楽器から生み出す空気の摩擦音や口での発音、石を打ち鳴らす音など、自然界と音楽が融合した ような情景描写を聴くことができます。
そして天野先生の作品は、タイトル「Alas de Hierro〜虚空に散った若き戦⼠たちへの鎮魂歌〜」からも連想できます通り題材となったのは特攻隊(鹿児島知覧特攻隊)です。この作品を初めて演奏した時はかなり衝撃的で、戦争を知らない世代の人間ではありますが様々な感情が生まれました。当時特攻隊員だった人たちとほぼ同じ年齢の吹奏楽アカデミーの学生が演奏する意味も深いと思います。
映像系の音楽も沢山手掛けていらっしゃる天野先生のまるで映画を見ているかのような素晴らしい音楽描写を、ぜひお聴きいただけたらと思います。
また、吹奏楽にとって不可欠な存在である行進曲。今回はスーザのマーチも2曲演奏します。もちろんとっても真剣に練習しています。
吹奏楽アカデミー専攻は講師も一緒に演奏するスタイルで本番も行います。ということで、お時間ございましたらぜひ応援に来てあげてください。
入場無料、事前登録なども必要ありません。会場は池袋キャンパスAホールです。
ご来場お待ちしております!
荻原明(おぎわらあきら)