トランペットの練習に鏡は必要か(#今朝の一言_ラッパの吹き方)
毎朝7:30に荻原の個人TwitterアカウントとFacebookの「ラッパの吹き方」ページで更新しております『 #今朝の一言_ラッパの吹き方 』。先日はこんなこと書きました。
例えばバレエなどのダンサーは鏡を見て練習することが多いと思いますが、あれは体の動きがイメージ通りできているのかを確認したり、複数名で行う練習時には全員の動きや間合いなどを確認しているわけです。
では、トランペットの練習時に鏡を使っている方は何を見ているのでしょうか。僕は鏡をまったく使わないので憶測ですが多分、口周辺の様子、いわゆるアンブシュアを観察していませんか?
もしそうだとしたら、鏡を見て何を確認しているのでしょうか。見た目に美しい形?だれかの奏者と同じ見た目になるように変形させる?
これは僕の持論ですが、アンブシュアとは「楽器を演奏している時の口周辺の見た目」でしかありません。見た目は見た目でしかありませんから、そこから演奏の良し悪しにつながる情報は得られません。見た目に美しくても、少しいびつに見えても、関係がないのです。
ただ、レッスンをしている時、その見た目から得られる情報がないわけではありません。口周辺の力を入れ方やマウスピース(リム)との関わり方、舌がどうなっているのか、という情報が見た目に現れる場合があるので参考にしているだけです。見た目がいびつだから整わせるとか、そういうことではありません。
そういうことですから、鏡で口周辺を確認しても混乱するだけだと思いますので、アンブシュアを見ようとしているのであれば、それは必要ないと思います。
では鏡を使ってできることは何もないかといえば、そんなことはありません。
先ほど書いたようにダンサーは体を動かしたときの状態を客観的に観察するために鏡を使います。ではトランペットで体の動きを確認するものといえば何でしょうか。
例えばアンサンブルなどで必要な「アインザッツ(合図)」の動きの確認。相手に確実に伝えられるための動きを練習するのは意味があると思います。
他には、呼吸が正しく行われているか、体の状態や変化を鏡を使って確認するのも良いでしょう。ただし、前提として呼吸について正しい理解を持っていなければ鏡を使っても判断ができませんね(正しい呼吸を学ぶレッスンも受け付けております)。
ダンススタジオのような壁が一面鏡張りになっている場所があるなら、室内楽やソロで特に大切な入退場時の姿勢や歩き方、挨拶の時の仕草や表情を確認することも有効です。
このように鏡はリアルタイムで自分の動作を知る道具になります。後でじっくり観察したいのであればスマホの録画機能のほうが良いかもしれませんが、ともかく道具というのは目的を達成するために正しく使ってことなので、「誰かがやってるから」「よくわからないけど形から入る」は、逆効果になる可能性すらありますので、きちんと根拠のある練習をすることが大切だと考えます。
では、毎朝7:30に投稿しております『 #今朝の一言_ラッパの吹き方 』引き続きご覧ください!
荻原明(おぎわらあきら)
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