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リップスラーは練習するのにリップトリルを練習しないのはなぜなのか(ツキイチレッスンでできること7)
毎月複数回開催しているツキイチレッスン。音楽のレッスンの多くは、教室などに入会し、継続してレッスンを受講するため、生活の中に新たにスケジュールを組み込む必要が出てきます。もちろんその時間があることで生活に潤いを与えるのであればベストですが、仕事や学校、家庭のことと両立させるのが物理的に困難になることも少なくありません。そうなると音楽や練習することが途端にストレスになってしまい、本来楽しむためのものが苦痛になる可能性もあります。
それなら単発でも参加でき、意志さえあれば自分のペースで継続もできるレッスンがあれば良いのでは?と考えて作ったのが単発参加型のツキイチレッスンです。
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単発レッスンであればスケジュール的には気軽に参加できると思いますが、1回のレッスンで何を見てもらえばいいの?という疑問が湧いてくる方も多いと思います。
そこで、数回に分けてこのブログで、どんなレッスンがオススメか書き出してみようと思います。「そういう内容だったら受けてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです。
なお、以下のリンクから開催日や詳細をご覧いただけます。
それでは、今回はこんな提案をしてみたいと思います。
リップスラーは練習するのにリップトリルを練習しないのはなぜなのか
ラノベみたいな長いタイトルですが、まさにこれ、すごく気になってます。
経験則ですがこれまでレッスンでお聞きしてもほぼ全員リップスラーの練習をしたことがないとおっしゃいますし、名前も知らない方も多いです。吹奏楽部でもバンド教本にリップスラーという言葉は多少出てきますが、リップトリルは出てきません。
また、リップスラーという名目でリップトリルの練習楽譜が掲載されていることもあります。現場は大変混乱しております。
なぜこんなにリップトリルが話題にならないのか。理由はいろいろあると思いますが、ひとつに、何に使われているテクニックなのかよくわからないからだと思います。
リップトリルは狭い音程間を移動するときの「補正機能」
僕はレッスンでリップスラーとリップトリルの違いを説明する際、例えとして
リップスラー:2Fから3Fに移動する行為
リップトリル:その場で背伸びする行為
とお話しすることがあります。リップスラーは倍音というフロアを自在に移動する技術に対して、リップトリルは、例えば人だかりができていたので、何があるんだろうと背伸びをして覗き込む時のような動きに近いです。
ロングトーンの状態のまま、アパチュアサイズをコントロールした結果すぐ近くの倍音に変わってしまった、という感じです。これがどんな時に必要かと言うと、例えば高音域になると3度音程(ドとミなど)で同じフィンガリングの時が増えてきます。細かなリズムで演奏する際、リップスラーのような大きなアクションでは難しく、そうした時にリップトリルが使われます。また、倍音の切り替わりポイントは何も同じ運指だけではないので、例えば五線上の「ソ」と「ラ」は隣の音でありながら広い倍音を移動しなければならず、そうした時にリップトリルの要素を織り交ぜてコントロールすると外しにくい、という結果が得られます。
そんなことで、リップトリルは地味ながらも絶対に習得すべきテクニックです。楽譜に書かれている特定の部分がなかなか上手に演奏できずに苦労している時、そうした原因があるのかもしれません。
ちなみにですが、ヴィブラートとジャズで用いられるシェイクはリップトリルと同じ方法で行うため、これらもできるようになります。
アーバンとコプラッシュ
そうしたリップトリルを習得するための教則本として、個人的にオススメなのは「アーバン金管教則本」と「コプラッシュ 60のエチュード」です。
アーバンは教則本としてコンプリートされていると思われがちですが、短音階とリップスラーに関してほとんど紙面を使っていません。アーバンはタンギングに関する教則本なので当然と言えば当然ですが、そんな中、リップトリルの練習曲は豊富です。
また、コプラッシュは、お気づきになっていない方が多いのですが、より音楽的表現を要求された応用的リップトリル練習曲がほとんどです。
もしリップトリルを習得したいとお考えであればこのあたりの教則本を中心に練習されるのが良いかと思います。
正しく習得するためにツキイチレッスンを利用してください
とは言え、独学でリップトリルの正しい方法や体の使い方を習得するのは少々難しいかもしれません。レッスンでもかなり苦戦している方が多く、毎回レッスンで確認し、軌道修正しています。
リップトリルはがっつり練習するというよりも正しい方法を見つけることがまずすべきことなので、毎回の練習時、ウォームアップなどに取り入れるよう、お話ししています。
リップトリルを正しく習得して、今よりもさらに安定した演奏を目指したいかたはぜひツキイチレッスンへお越しください。
ツキイチレッスンは単発参加型なので入会金や月謝の制度はありません。受けたい時に受けたいだけ受けられる、そんなスタイルはお仕事や勉強、家庭や部活などでお忙しい方には特に便利なシステムだと思います。
リンク先に今後の開催日ごとにお申し込みできるようになっておりますので、ご都合よい日時を決めてご参加ください!現在は8月中までのツキイチレッスンの募集をしております。
インターネット上でのお申し込みが苦手な方はこちらの記事に詳しく方法を書きましたのでご参考になさってください。
ご参加お待ちしております!
荻原明(おぎわらあきら)
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