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「自分が発した言葉、それが巡り巡って自分に帰ってくるとしたら、何に気をつけるとよいだろうか?」 #016

「言葉にも帰巣本能がある」
「人間の口から生まれた言葉は、口の外に出た瞬間、そのまま流れて消えてしまうのではない。巡りに巡って、いつか再び、言葉を吐き出した人の耳と体に染み込んでくる」(「言葉の品格」イ・ギジュ著)

 「あなたは、普段どんな言葉を使っていますか?」
本書は韓国の大ベストセラーエッセイ。クライアントに「座右の書は?」と伺った際に、紹介してくれた一冊である。著者はソウル経済新聞などで社会部・経済部・政治部記者をされた後に、韓国大統領府のスピーチライターを務めた、言葉の専門家。

 冒頭の一節が、心に引っかかった。

 「言葉には磁石のような不思議な力がある。その中にどんなエネルギーを込めるかによって、さまざまなものが吸い寄せられるのだ。自分が口にした言葉の磁場から抜け出すことは難しい。言葉がそのまま現実になることはないにしても、言葉が現実と共鳴することはよくあることだ。」

 そもそも、自分が理想とする世界、関係性、日常、自分自身って、どんなだろうか?
 それが、かなう言葉を使っているだろうか?
 深く考えさせる言葉だ。

 「恐ろしい言葉を口にすれば、恐怖が襲ってくる。楽しい言葉を口にすれば、周囲の視線が集まる。それだけではない。言葉を夢で満たせなければ可能性が開けることもよくあるし、言葉に愛を溶かし込めばいつしか愛が近づいてくる。」

 これって、言葉だけではない。立居振る舞い、自分自身の生き様も同じではないか。そう感じる。
 改めて、自分を見つめ直して見ようと思う。


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