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世界は優しさにあふれている

日本にはない機能のようだが、アメリカではFacebookにMarketplaceという項目があり、メルカリのような個人売買ができる。



本帰国が決まって、ひたすら断捨離をする中で
売れるものは売りたいし、何なら円安の今は、ちまちまとでもドルを稼ぐか、という気軽な気持ちから、Marketplaceで「これ売ります」投稿を始めた。

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一体どんな人たちが連絡してくるんだろう?
とおそるおそる、ではあったが、
最終的には、20点近く売れて、20人近い人たちとやり取りした。
もちろん中にはIs this available?(これ、まだありますか)と聞いてきたものの、私がYes!と答えてから返事が来ない、ということもあったけれど、
取引成立した相手は、みな素敵な方々ばかりだった。

例えば、
ポータブルヒーターを購入した若い白人男性は、私が投稿した直後に「買いたい」と連絡をくれ、その日のうちに取りに来てくれた。「義理のお母さんにちょうどヒーターをプレゼントしたかったんだ」と爽やかな笑顔で教えてくれた。

何故か自宅にあった、相撲柄のコップ5本セット(笑)は、I love Sumo!を連呼する男性がお買い上げ。実際に会ってみたらSumo好きなゲイカップル。おまけにと、これまた何故か家にあった千代の富士の写真集もあげたら、めちゃくちゃ喜んでくれた。

キャンプ用のランタンは、釣り好きのおじいちゃんが、「このコールマンのランタン大好きなんだ」とニコニコ顔で取りに来てくれた。

息子が卒業したトランスフォーマーのロボットたちは、「これ見たら、息子たちが大興奮するに違いないわ!」というママがお買い上げ。

一つ一つの会話のやり取りは、たかが1分、2分程度のものだけれど、どれもほっこりするものだったし、何より、自分にとっては不要なもの(あるいは泣く泣く手放すもの)を、他の誰かが大事に使ってくれると考えるだけで、何だか幸せな気分になる。もちろんお金ももらえるから幸せというのもあるけど(笑)、物やお金を交換してハッピーな気持ちを循環させている、それって最高でないか?!と思う。

一番印象に残っているのは、アイロンとアイロン台を購入してくれた中年黒人夫婦。実は、インターネットトラブルがあって、彼らが取りに来てくれたのに、「ゲートに着いたよ!」というメッセージが私の携帯に届かなかった。(注:私が住んでいる家はGated Communityと言って、ゲートで仕切られた区画なので、居住者以外が勝手に玄関先まで行けないようになっている)

ピコーンと私にメッセージが届いて、「今からゲートに行くね」と私が連絡すると、「今はいないわよ。3時間前にいたのよ」と返事が。

「こりゃあ、もう取りには来ないよね。怒らせちゃったかな」
と思いながらやり取りをしたら、翌日取りに来てくれることに。

そして当日、がははーと豪快に笑いながら登場した彼ら。
先日の私の無礼に文句も言わず、「教会の活動に使いたかったから、すごく助かるわ。新しいもの買う必要ないよね。だってこんなにモノはあふれているんだから」と喜んでくれて、しかも、私が提示した以上の額を、「おつりはいらないから」ということで払ってくれた。日本に帰るという話をすると、「気をつけて帰ってね。Have a safe flight back to Japan!」とまで声をかけてくれた。

引っ越しまで、あと6週間。売れそうなものは、もうほとんど売ってしまった。またこんなハッピーの循環を感じたくて、他に売れるものないかな、と思わず探したくなってしまう。







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