チームワークは、心理的安全性より「コミュニケーション量の適正配分」という話
チームワークについて語っていると、「心理的安全性が大事だよね」という会話になることが多い。
それ自体は、まったく異論がなく、確かにそうなのだけれど何かチームを良くする魔法の杖のように使われると違和感を感じてしまう。
『チームが機能するとはどういうことか』(エイミー・C・エドモンドソン,2014)でも取り上げられている、心理的安全性は確かにチームワークを向上する影響要因の一つではある。
ただ、私は心理的安全性よりも、「コミュニーケーション量の適正配分」にもっと目を向けてはどうかと思う。
MITのアレックス・ペントランドは、『チーム作りの科学』(2012)でチームワークのコミュニーケーション特性に注目した論文を展開している。
そこでは、チームの特徴や目的や目標がなんであろうと成功するチームワークを浸透させる方法を提案している。
あるカクテルパーティーにおいてチームメンバー同士の交流をデータ分析しただけで、事業プランのコンテスト優勝チームを当てた事例がある。つまり、「コミュニケーションのあり方で大体のチームレベル」がわかってしまうという。
高業績を生み出すコミュニケーションは、3つの特徴があるとしている。
①コミュニケーションの「熱量」
これは、チームメンバー同士のやりとりの回数と性質を元にしている。回数は、どれだけのやりとりが行われているか。性質は、対面か電話・テレビ会議かメールやチャットかで熱量を測る。それをチームの人数で割って計測をおこなう。
②チーム全体への「関与」
例えば、何かの決定事項の際に、チームメンバーの全員が関わっているのか、それとも一部のメンバーの議論は活発だがそれ以外のメンバーはそうではない場合チーム業績は良くない。
③外の世界へ向かう「探索」
チームメンバー以外とどれだけコミュニケーションをとっているかの性質。高業績チームは、外のメンバーと積極的に繋がろうとする意識が高い。
上記の図のようにコミュニケーションの量を可視化することで、チームの状態を把握する。線が一定方向に強く出ているなど、偏ってしまうとチームワークにはなんらかの問題が発生していると見た方が良い。
リンク先のサイトでは、Slackにおけるコミュニケーション量を可視化するアドオンも提供してるので、Slackをチームコミュニケーションツールとしているチームで使ってみても面白い。
「ちょっとコミュニケーションが〜〜」というチームには、心理的安全性も大事だけれど、今の「チーム内のコミュニケーション量」がどうなっているのかを意識してみてはいかがだろう。
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