中長距離選手のランニングパフォーマンスと筋力トレーニングの関係|システマティックレビュー
どうも、さかもとです。
本日は、論文のレビューです。
過去にも、「ランナーにウェイトトレーニングが必要な理由」
という記事やYouTube動画を出しました。
今回は、論文ベースでまとめてみたいと思います。
今回の論文はこちら
様々なワードで論文検討し
454件の論文から、条件に見合う24件の論文を選択しレビューした
システマティックレビューとなります。
条件;中距離選手(800-3000m),長距離選手(5000m-),トライアスロン選手を対象。※経験年数6ヶ月未満の非ランナーは排除
介入期間は4w以上で、比較試験であること。
概要
24件の論文レビュー。
全469名(内訳;男性352名、女性96名)
年齢;17.3-44.8歳
調査期間;6-14週間
中長距離選手のパフォーマンスは
生理学的、生体力学的、心理的、環境的、戦術的
様々な要因が複雑に作用している。
その中の「生理学的要因」に筋力トレーニングがどのように影響するのかについてフォーカスしたシステマティックレビューです。
中長距離選手パフォーマンスの生理学的な要因
今回のレビューで検証されているのは以下の項目です。
ランニングエコノミー
TT(タイムトライアル)
最大酸素摂取量
無酸素能力(スプリント能力)
血中乳酸パラメーター
体組成
となります。
果たして、どのような結果になったのか。
まずは結論から
筋力トレーニングの実施により、上記の項目のうち
ランニングエコノミー
TT
無酸素能力
に有意な効果が得られました。
最大酸素摂取量
血中乳酸パラメーター
体組成
に関しては、有意な結果は得られなかっとされています。
ただし、悪影響は示されませんでした。
トレーニングの種類について
24件のうち2つの論文を除いては
少なくとも1つ以上の多関節トレーニングが実施されています。
また、そのうちの1つはマシントレーニングでしたが
その他はフリーウェイト、自重、マシンの複合でした。
筋力トレーニングのほか、プライオメトリックトレーニングが行われているケースも含まれます。
トレーニング強度は
・3-5rep 80%1RM
・5-15rep 60-80%1RM
・プライオ 30-60回のフットコンタクト
→(6-9w後 110-228回のフットコンタクトへ)
・各トレーニング間レストは2-3分
トレーニング頻度は2-3回/w
まとめ
中長距離選手に対する筋力トレーニングは
ややネガティブに感じるケースも多いはずです。
(↑選手だけでなく、コーチも)
トレーニングだけでに限らず
結局は、何のためにやるのか?だと思います。
このレビューからも、否定的なものではないので
個人的には、積極的に取り入れていければと思います。
ちなみに
頻度は2回/Wでも十分な可能性が報告されており
シーズン中は1回/wでも問題なさそうです。
トレーニングの実施タイミングには注意が必要で
高強度のランニングトレーニングと同日に行う場合は
最低でも3時間は空けることが推奨されています。
これは、それぞれのトレーニング効果の干渉現象を抑えるためです。
まあ、できれば別日に行うことが望ましいです。