見出し画像

【接地論争】踵接地VS前足部接地

どうも、今回のnoteのタイトルに少しだけ満足しているもっさんです。(満足するレベルが低い)

さて、タイトル通りなのですが、ランナーの接地は踵接地前足部接地のどちらがいいのか、という事をテーマに書いていきます。

※陸王で話題になった、ミッドフット(中足部接地)は今回は取りあげません。

↓動画でみたい方はこちら↓(9/24更新)

今回は、4つの論文をもとにまとめました。

⑴足部接地パターンの違いによるランニングの動作分析(肥田ら)

⑵足部接地パターンがランニングにおける 推進特性に及ぼす影響(肥田ら,2016)↑とやや被り

⑶大学トップランナーの接地動作と競技レベルの関係(西出ら,2019)

⑷長距離走における走速度増大に伴う着地衝撃と走動作の関係(榎本ら)

これら4つです!

興味のある方は、論文そのものを読んでください!

基本は一般ランナーを対象としたもの

ほとんどの論文が一般ランナーを対象としたものでした。

それを踏まえて読んでくださいね。

今回の4つの内、1つは東海大学の長距離選手を対象としたものですので、

アスリートとなると、この論文のみです。

その辺りで課題はあるものの、参考になる情報もあるかとは思います。

踵接地と前足部接地の歴史

日本人ランナーの一般的な接地は踵接地でした。一般ランナーを対象にした研究では、なんと98.12%もの方が踵接地だったとのこと。

しかし、近年のマラソン界で力を発揮しているケニアエチオピアの選手は前足部接地である傾向が高く、マラソンの世界記録保持者もケニア人で前足部接地であるとのこと。ちなみに、マラソン日本記録保持者も前足部接地。

こういった背景からも、前足部接地の方がいいのではないかという話となり、前足部接地が話題となっています。

そもそもの接地方法の選択において、なぜこの様な国籍差があるのか。

そのルーツを調べた報告では、

◉日本人は常にランニングシューズを着用しているため、衝撃が軽減されており踵接地を選択しているのではないか

◉東アフリカのランナーは裸足で走ることが多く(靴を履かないで育った)衝撃が少ないとされる前足部接地を自然と選択したのではないか

と言われているみたいです。(こういうの面白いですね。好きです。)

この辺りの話は、⑵の論文に書かれていますので、興味のある方は、併せてお読みください。

やはり前足部接地にするべきなのか

前足部接地の方がいい!と聞き、前足部接地に変えた人も多かった様ですが、これによる問題も発生している様です。

どうやら、シンスプリントや第二中足骨の疲労骨折などの発生リスクが高まるとの報告がある様で(笹山ら,2010)ほな、前足部接地に変更や!と簡単にパフォーマンスが上がるわけではなさそうです。(急にコテコテの関西弁)

前足部接地の完成には、足部のアーチや筋肉、アキレス腱などによる衝撃の吸収ができる能力が必要となってきそうです。

↑以前書いた記事ですが、参考になるかもです。(鍛え方について)

ただ、踵接地でも第1ピーク(接地時)の衝撃が大きくランニング障害との関係も報告されています。(河村ら,2016)

前足部接地だから怪我が多いというわけではないです。

踵接地と前足部接地の違い

走動作 位相

上の3つが立脚期、下が遊脚期

まずは、⑵の論文から(一般ランナー対象、モーションキャプチャー、床反力計にて研究)


重心移動距離

踵接地では立脚期に有意に高くなり、前足部接地では遊脚期に有意に高くなる

床反力

立脚前期に踵接地では有意に高くなり、前足部接地では立脚後期に高くなる

身体回転力

踵接地において、立脚前期に後方への回転力が大きくなる

スクリーンショット 2020-09-23 13.33.10

この論文をまとめると、

踵接地では、立脚期にで得たパワー(衝撃)をもとに推進していると言え

前足部接地では、衝撃を少なくし飛び跳ねる様に推進していると言えそうです。

また、これらを踏まえると、

ストライド走行=踵接地 ピッチ走行=前足部接地

が適していると示唆されている

と考察しています。やはり個人差、向き不向きはありそうですよね。

次に⑶の論文。こちらは、東海大学(駅伝でおなじみ)の長距離選手を対象にした、貴重な論文です。対象は15名。内訳は、第93回箱根駅伝に選出された選手8名(Expert群)とその他7名(semi群)。

モーションキャプチャーをつけ、トレッドミルでの走行テスト、低速、中速、高速の3種で測定した様です。

接地時間

どの被験者もランニング速度が上がるにつれ、接地時間は有意に減少している。

また、Expert群では前足部接地、semi群では踵接地であることがわかった。

地面との接地時間が短いほど、1500mや5000mと言った比較的短い距離でより良いパフォーマンスに貢献している可能性があるとした。

ちなみに、ハーフのタイムでは両群に有意差は認められず。

やはりここでも、個人差や競技差があることが伺えます。

距離という点では、接地方法以外の要因がパフォーマンス向上にはありそうです。

まとめ

接地論争に終止符を打てるほど、まとまったわけではありません。

腕振り同様、個人差があり、一概に〇〇がいいとは言えないかと。(陸上って奥が深い!)

ただ、それぞれの特徴ははっきりしているため、自身にあう接地を見つけていく必要がありそうです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

併せて観て欲しい動画を紹介します!

以下の動画の後半、トレーニングのところは、参考になるかと思います!




いいなと思ったら応援しよう!