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Photo by
kiraku_san
違法の冷蔵庫
これはフィクションです。
#ショートショートnote杯 参加の為書きました。
警察が冷蔵庫とママを連れてった。
優しそうな警察官は「大丈夫、すぐママは帰って来るよ」と言い、ママは僕に頷いた。
僕の国はアイドルを取り締まり始めた。
ママの大好きなアイドルは中性的だから違法。
冷蔵庫に貼ってあるステッカーや写真、
冷蔵庫の中に隠したグッズが当局にバレたんだ。
パパとお婆ちゃんが駆け付けてくれた。
「なんてことするの!!」
「まさか連行されるなんて…。」
タレこんだのは青ざめた顔のパパだった。
お婆ちゃんはある俳優が大好きで聖地巡礼もしてた。
だからママの味方だと言った。
「大好きな気持ちは誰にも止められないわ。ママは何も悪くない。」
そう言うと僕の肩に優しく手を置いた。
翌日、やつれた顔のママが帰ってきた。
でも、冷蔵庫は没収。
「ごめんね。」
ママは涙ぐんだ。
僕はママを抱きしめた。
「ママは何も悪くないよ。」
そして、心の中で呟いた。
「僕がこの国を変えるから。」