ハーメルン【15】
「いただきまーす。」
出来立てのうどんをふぅふぅ冷まして、ずるずるすする。
温かい麺が喉を通り抜けて、胃の中へ落ちていく。その感触を感じながら、なんてママに言葉をかけたらいいのか、頭の中を必死で探し回っていた。
「ママ、もう、どっかに行ったりしない?」
「あら?また、その話?ふふふ…。行かないわよ。そう言ったでしょ?」
「覚えてるの?」
「ん?覚えてるわよ。夕飯のお買い物には、もちろん行くわよ?」
どうやら、何日か前に僕と話した時のことを言ってるみたいだ。
さっき冷蔵庫の中へ