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Photo by
kiraku_san
半笑いの冷蔵庫
これはフィクションです。
#ショートショートnote杯 へ参加のため書いてみました。
ママが消えた。
スマホも財布もそのまま。
思い当たる所はすべて探したけど行方は分からない。
警察に捜索願も出した。
パパは家政婦を雇ったから、生活に何の支障もなかった。
ママの行方は何の音沙汰もない。
お爺ちゃんとお婆ちゃんが来て、泣きながら謝った。
「子供達を残して…。一体どこに?本当にごめんなさい。」
パパは言った。
「そんなに謝らないで下さい。」
お爺ちゃんとお婆ちゃんは帰り際、冷蔵庫を見てさらに泣いた。
「どうしたの?」
「分からないけど何故か涙が出るの。」
涙を拭いながら帰って行った。
二人を見送り、振り返ると冷蔵庫が半分笑っていた。僕は目を疑った。すると冷蔵庫のドアが反対側から開いて眩しく光り、ママが中に入っていった。
「ママ!」
僕は冷蔵庫に駆け寄り反対側からドアを開けようとした。でも全く開かない。いつもの方から開けるといつもの冷蔵庫だ。
後ろの壁も押したり叩いたりしたけど、普通の壁。
ママはそのまま、帰って来ることはなかった。
この話の本編を書いています。
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