スヌーズ機能付きの頭痛は
満たされない気持ちのサイレン
確かなものがないから
確かめることばかりが増える
砂場でサーカス
小ぶりな象を作る
いびつなガネーシャ
半分だけの神さま
藍色の憂鬱は青よりなまなましくて
艶やかな傷口もやがて塞がってしまうのに
夜の入り口をいつも分け隔てる
そんな癖を治せずにいる
刺繍された文字はあまねく詩集
生きる言葉と死骸の標本
感傷的感情の骨格は漂白されたガム
型取りも型抜きも一過性
目覚まし時計を壊したのは猫で
私を壊したのはあなたではなく
スヌーズが鳴り響いている午前2時15分の闇
不機嫌にふれた爪先のせい
