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本音教育用語集(あ~う)

私が所属している「道徳のチカラ」(代表 佐藤幸司)の前身である「道徳教育改革集団」(代表 深澤久)が発行していた機関紙「道徳教育改革」で連載を担当していました。そこで、今回は2008年から書いていた「本音教育用語集」を紹介していこうと思います。

随分、昔の内容ですから現在の教育情勢とは違った部分もあるかもしれませんが、そこは笑って読んでもらうと助かります。


あいさつ【挨拶】学級担任をしていた時は,校門に立って行うことはなかったが,教務主任となってからほぼ毎日,校門や近くの道路に立ちあいさつ運動を行っている。目的は2つである。1つは生徒と関係をつくるためである。そのために,あいさつだけではなく,あいさつのあとにプラスαをしている。例えば,「おはよう。朝ご飯は食べてきたか?」「さようなら。明日も笑顔で来いよ」などである。もうひとつは,教師のやる気を学校外へ見せるためである。学校批判が多くなっている現在,保護者だけではなく地域との関係をつくることができる。また地域からの情報が入手しやすくなる。


いじめ【いじめ】いじめは「犯罪」である。私が道徳教育改革集団に入ったきっかけは,深澤久先生の道徳授業「いじめ」と出会ったからである。「いじめ」にあたる行為を生徒に出させ,その行為一つ一つが刑法のどの罪にあたるのかを吟味していくというものだった。
 さっそく,追実践を行った。生徒の目の輝きが違った。生徒の感想もきれいごとを書いていなかった。道徳授業の威力を見せつけられた授業だった。


うんどうかい【運動会】昔,息子が通う小学校の運動会を観に行った。中学校とは違う小学生の微笑ましい競技を見ていて,気になる競技があった。それは,子どもたちが走りながら「ワープ」と叫んでいるのだ。よく見ると,リレー競技なのだが,ある子どもの番になると,「ワープ」と叫びながら,トラックの内側に引いてある近道のラインを走っているのだ。つまり,ワープとは近道を走る合図だったのだ。普通に走る子と,近道を走る子の2種類がいたことになる。走るのが遅い子に近道を走らせて恥をかかせないような優しい配慮があったのだろう。しかし,それでいいのだろうか。勉強が苦手な生徒に簡単なテスト問題を与えるようなものである。
 これは優しさではなく,甘やかしである。こんな間違った優しさが,子供たちをダメにしていったのだと思う。