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本音教育用語集(か~く)

かんりきょういく【管理教育】私が新採の頃,この「管理教育」という言葉は禁句であった。教師が生徒を管理するとは何事かという空気が職員室の内にも外にも漂っていた。校長や教頭ひいては教育委員会などから管理されることを嫌う教師が言い出したことなのだろう。自分たちが嫌なことは生徒に押し付けてはいけないという誤った考えが流布していたのだと思う。しかし,管理をせずに35名以上の生徒を席に座らせて私語を許さずに教師の話を聞かせることは出来ない。教師が管理しないでも,生徒は自ら気づき,だまって話を聞くようになるとでもいうのか。「管理教育」をバッシングする嘘くささが嫌いだった。そんな時,プロ教師の会の河上亮一氏の本(註2)と出会った。その中に「豊かな管理教育」をすすめることの大切さが書かれていた。これだと思った。それからプロ教師の会の本を読みあさった。ある酒の席で,このことを同僚に話したら一笑に付された。
 その教師は,教職10年を待たずに退職してしまったことは皮肉なことだ。


きょうし【教師】自分の仕事は何かと問われたら教員ではなく教師と言っている。「師」という文字に責任感や使命感を感じるからだ。「教師は生徒にとって大人の代表であり,子どもをよい方向に導く」ことを自覚することが大切だ。


くらぶかつどう【クラブ活動】小学校と中学校の大きな違いの一つは,部活動だと思う。
 部活動の存在価値は大きい。生徒との信頼関係を築く。生徒に通常の学校生活ではなかなか身につけさせることが難しいことをしっかりと指導ができる。忍耐とか仲間の大切さなどである。しかし,この部活動で多くの時間を取られていることが問題である。平日はもちろんだが,土日祝日など毎日が部活動の指導の時間に取られるのだ。
 こうなると家族と過ごす時間が少なくなるのは当然のことだ。学校から離れてリフレッシュする時間が少なくなるのは当然だ。
 日々の授業,分掌事務,生徒指導,会議,研修そして部活動。
 中学校教師の精神的肉体的ゆとりが生まれるのは,定期テスト期間中の部活動休みの時ぐらいだ。