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「始祖鳥記」

飯嶋和一にはずれなし」

この言葉を信じて「始祖鳥記」(小学館文庫)を約10年前に購入しました。それから,読むきっかけがなくて書斎の本棚にずっと忘れられていました。しかし,先週,書斎の整理をしている時に,この本の存在に気がつきました。
読み始めると止まらなくなりました。

江戸時代の末期,大空を飛んだといわれる人物,備前屋幸吉の人生を描いた傑作です。
天明の飢饉や幕府の悪政,一揆,打ちこわし,商人の悪行などが重なり,民衆たちは苦しんでいました。
そんな中,自分がやりたいことをやりぬいた幸吉の生き方に感動しました。
この幸吉の姿に民衆は光を見いだします。

ラストがいいです。もっと早く読めばよかったと反省しました。
「飯島和一にはずれなし」
この言葉の真偽を確かめるために,次の作品を読みたいと思います。