柏餅は「共用品」
今日は,子どもの日です。
子どもの日と聞いて連想するのは,こいのぼり,武者人形,そして柏餅です。
あんこ好きの私にとって,スーパーやコンビニに並べられている柏餅はとても魅力的です。
さて,この柏餅には,こんな工夫があることを知っていますか。
もともと柏餅の中のあんは,小豆と味噌の2種類あったそうです。
できあがった餅を柏の葉で包むと中のあんがどっちかわかりません。
そこで,小豆あんは,柏の葉の表(つるつるしたほう)を外側にして包みます。
逆に,味噌あんは裏(ざらざらしたほう)を外側にして包みます。
つまり,見た目で餅の中身がわかるように工夫しているのです。
現在は,こしあんと粒あんというパターンもあるそうです。
この工夫は,室町時代に始まったと言われてます。
こういった商品を「共用品」と言います。(カタカナでアクセシブルデザイン)
他には,牛乳パックの上部が半月形に切り取られていたりシャンプーの横やプッシュする部分の上部にギザギザがついていたりします。
また,右利きと左利き両方の人が使いやすいトランプもあります。
従来のデザインでは使えない(使いにくい)人がいるため,それを改善するためにデザインを工夫されているのです。
こんな工夫を日本人は室町時代からしていることに驚きます。
子どもの日に,子どもと一緒に柏餅を食べながらこんな話をしてみてはどうでしょうか。
「共用品」については,「アクセシブルデザイン」(星川安之 岩波ブックレット)や「共用品という思想」(星川安之 後藤芳一 岩波書店)などを参考にされてください。