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「足袋の季節」

道徳の教材に「足袋の季節」というものがあります。とても古い教材です。調べてみると「中学校道徳の指導資料」(昭和 42 年 文部省編)に収録されていました。
この教材を使った道徳授業の一般的なねらいとして、こんなものがあります。
〇人間には弱さや醜さを克服する強さや気高く生きようとする心があることを理解し、人間として内なる良心に恥じることなく、よりよく生きていくための道徳的判断力を育てる。

さて、昨日、3年生の担任から、この教材を使ってどんな流れにすればいいですかという相談を受けました。(『新しい道徳3』(東京書籍)に収録されています。)

まずは、とても古い教材ですから、生徒が知らない言葉や表現が出てきます。因みに1920年代の話です。

例えば、「足袋」「50銭」
何よりも足袋を買えないぐらいの貧しさが想像できないと思います。

つまり、昭和42年に作られた教材の世界と令和6年の生徒との世界が乖離しすぎているのです。こうなると、生徒がその場面や言動をスムーズに想像できないのではないかと思います。
想像できない生徒の思考が深まることはあるのでしょうか。

ネットで見つけたある指導案(2年生で実践)には、こんな発問がありました。
(私がおばあさんに釣銭をごまかした場面で)

〇おばあさんに「50銭玉だったね。」と聞かれて「うん。」と頷いた時の「私」はどんな気持ちだっただろう。

このような発問を出して、生徒が本気で考えようとするのでしょうか。

さて、この相談に対して私はどんなアドバイスしたと思いますか。

(明日へ続くかもしれません)