料理には「火」を使う。
みなさんの家のキッチン、どんな熱源で料理していますか?
IH?それともガス?
「火を使って料理する。」
これは、私の料理へのこだわりの一つ。
ですので、私はガス火を使って料理しています。
家を選ぶ際にも、真っ先に確認するのが「キッチン」。
結婚後、マンションを購入した時も、この家に移り住んだ時も、まずチェックしたのは「キッチンの熱源」。
IHであることがわかると、どんなに良い物件でも考えちゃいます。IHはどうも性に合わないんですよね・・。
海外ではIHの調理台が当たり前だし、日本の住宅でもIH調理台が設置されていることが売りになってるみたいです。それでも、私はガス火を選びたいなって思います。
IHを批判したり、否定したりするつもりは毛頭ありませんが、なぜIHが性に合わないのか?について、考えを巡らせてみました。
なぜガス火を選ぶのか?
IHは電磁誘導加熱(Induction Heating)の略。つまり電磁調理器です。
電流を流した「コイル」から発生する「磁力線」が、ヒーター面(トッププレート)に密着した鍋を通る際に「うず電流」となり、鍋そのものを発熱させる仕組み。
・スイッチ一つで火加減のコントロールができ、一定の温度を保ってくれる。
・五徳がなくフラットなので、お手入れが楽チン、キッチンが美しく保てる。
・高齢の方には消し忘れなどのトラブルを回避しやすい。
・消し忘れや種火が原因の火事を少なくすることができる。
など、たくさんのメリットがあると思いますが、IHは、「電気で発生させる熱」ということになりますし、その熱の高低によって調理をするというのがIHであるということです。
私がガス火を選びたい理由は、
・IHから発生する電磁波がちょっと気になる。
・簡単に安定した火加減調整できる、という便利さの反面、料理への「感性や感覚」が薄れてしまうような気がする。
・「電気と磁力線の熱」ではなく、ガスであろうとプロパンであろうと「火の熱」で調理したいと思うこと。
ということだと思います。
災害時のことなどを考えると、選択肢も変わるのかもしれませんが、ここでは「火の熱の魅力」について考えてみたいと思います。
「火=炎」の魅力
キャンプやバーベキュー場などを楽しむ時、薪や炭で火を起こしますが、薪が燃える火の様子、赤く燃えている炭火を見ていると、ぼーっと引き込まれるような、いつまでもみていられるような感覚ってありませんか?
私は、その火に「美しさ」と「安心感」のようなものを感じます。
(そういう感覚を犯罪に向ける人格ではありませんのでご安心ください笑)
自然素材(薪や炭)を火元に起こす火は、単なる「火」というよりも「炎」という感じ。たとえ種火になっても、火という漢字が2つ重なっているように、単なる「火」よりも濃密。そしてその炎に「命」が宿っているように感じるのです。
人間がサルとその進化の道を分けたのは「火=炎」を使えたかどうかである。とはよく言われているところですが、「人間」に変容できたのは「火」を扱うことができたおかげ。炎を見て安心感を抱くのは、集合意識に刻まれた情報なのかも?と思ったりします。
また、「鉄は熱いうちに打て」と言われるように、火は鉄を変容させる力を持っていますよね。個人的には、刀鍛冶の時に使われる炭火の真っ赤な炎に、引っ込まれるような美しさを感じます。
さらに、植物療法の世界に目を向ければ、「フワラーエッセンス」の転写方法にも「火」の魅力があります。
フラワーエッセンスは、花のエネルギー(波動)を得る方法の一つに「ボイルドメソッド」というものがあり、通常は水に浮かべた花の波動を太陽光を使って、水に転写させるのですが、ボイルドメソッドは花を入れた水を「火で沸かす」ことで、水に花のエネルギーを転写していきます。このボイルドメソッドで得られたフラワーエッセンスはクライアントに「変容」のエネルギーを手渡すことができると言われています。
このようなことからも、「火=炎」には「命」があり、ものごとを変容させる。
そんな力があると思うのです。
日本の古神道を紐解けば、火の神様=火産巣日神(ほむすびのかみ)もいらっしゃるように、大昔の日本人はその変容の力、炎に神を見出したのかもしれません。
火に限らず、八百万の物事に神を見出していました。そういう自然界全ての物事に神を見出す謙虚さや日本人の感性も同時に大切にしていきたいと思います。
いずれにしても、私は電子レンジも滅多に使わないし、ご飯を炊くのも炊飯器ではなく、土鍋か圧力鍋を使っています。住宅事情から言えば、今はガスを使った「火」しか使えませんが、かまどで薪を使った「炎」で料理したいとも思います。
IHではなくガス火を選択してきたのは、火に対して「命と変容の力」を感じ取っていたのかもしれないと思います。電磁調理器には「命」を感じられないのかもしれません。
命ある火で調理すること
料理も同様に、「火」を使って生の野菜や穀物を変容させ、「食べ物」に変えていくことです。その食べ物は、体内で栄養素に変容し、私たちの細胞の一つ一つにとなって、心と体を変容させてくれます。
「食べるものがあなたをつくる」というのはマクロビオティックの信条ですが、「食べるもの」をどう調理するか、どんな熱源で調理するか、ということも「あなた」の状態を左右するのではないかと思います。
私はこれからも、「命と変容の力」を秘めた「火」で料理をしたいと思います。料理をする人にも、食材にも、出来上がった料理に、心地よい変容をもたらすことで、心も体も心地よい状態に変わっていけると思うのです。