そして誰もいなくなった

著者:アガサ・クリスティー
出版社:ハヤカワ
初版:2010年(新訳決定版) 1939年原著

あらすじ

絶海の孤島「兵隊島」に招待された10人の老若男女。それぞれ面識はなく、招待主は都合が悪く遅れるとのこと。島の屋敷で働く執事夫妻も最近雇われたようで雇い主の顔を見たことがないという。完全に仕組まれた島で一人ずつ死んでいく招待客たち。犯人の正体も動機もわからないまま、疑心暗鬼に陥っていく。

印象に残ったセンテンスなど

ラストに手記で語られる真相。登場人物が全員死亡しているという状況と矛盾しない語りをしており一貫性がある。

巻末の解説など

赤川次郎:一番好きな作家の作品。近年はミステリーの範囲が広がった。
導入部の人間の描き分けは見事。無理な展開や恋愛・残酷描写を用いないミステリーは上品。残酷描写の増加は映画の影響か?知的で粋なものなはず。

感想

名前は聞いたことがあるので,一応読んでみたのがきっかけ。アガサクリスティーの作品では”春にして君を離れ”を読んだことがあったが、こちらはミステリ感が弱く心理描写を重視した作品であった。本作品は解説にある通りミステリの名作として知られるが、確かに読みやすくしっかり面白い。

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