GOTH 夜の章

著者:乙一
出版社:角川
初版:2005年

あらすじ

森野夜は今だ捕まっていない連続殺人鬼の手帳を拾う。そこにはニュースになっていない最近の犯行も記述されており、森野は死体を見るためにクラスメイトの”僕”と出かける(暗黒系)。
僕の家の近所では最近、連続ペット誘拐事件が起きている。2つの視点から描かれる真相とは(犬)。
主人公の僕には人の死んだ場所を見に行くという趣味があった。クラスメイトの森野には妹がいたらしいが幼いころに納屋で亡くなったという。僕は森野の家を訪れ家族から話を聞き出そうとする(記憶)。

印象に残ったセンテンスなど

紐状のものを首に巻かないと眠れない森野
殺人鬼の好む格好をする森野

巻末の解説など

あとがき:著者による面白い文章がある。もともとライトノベルとして書いた。大学卒業後1年ごろに執筆した暗黒系の登場人物が編集者に気に入られ、続編を書いた。GOTHと殺人を混ぜ合わせたことを謝罪している。

感想

主人公たちのキャラが魅力的で、ストーリーはずっと暗い緊張をはらんでいる(主人公が危険人物なんだから当然)、文章も読み易い。
暗黒系で森野が殺人鬼好みの格好をしてみせるシーンなどは官能的。
恋愛小説の恋愛感情を殺人願望に置き換えたように思える。

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