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「多元追憶ストライクエンゼル」各話紹介#2

ぼくが制作に参加している自主制作アニメ「多元追憶ストライクエンゼル」。その各話を、メインプロットを追いながら見どころや制作の裏話などをお届けします。

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今回は第二話「その時、彼は」の紹介と解説です。

前回は、作品のテーマ的な解説やオマージュについての話が多くありましたが、今回は各シーンの見所や注目ポイントなどを端的に紹介します。

この記事の見出しをクリックすると本編の該当箇所の再生ページに飛ぶようになっていますので、ビデオソフトのチャプター機能のように活用してください。


オープニング

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第二話はオープニングアニメからスタートします。

曲は、第一話のエンディングで流れたものと同じです。"ヒリュウ"音楽はこのオープニングテーマ(=主題曲)からスタートしました。この曲はインスト、つまり歌は入っていませんが、監督が歌詞を考えそれをもとにメロディをつけていくという流れで作曲されています。作曲にあたっては、「あの曲の雰囲気」や「あの曲の音」といったオーダーがされていますが、唯一無二のものに仕上がったのではないかと。

オープニングアニメのタイトルコールやカット割、テロップを含めたレイアウトは、作品の制作意図よろしく歴代の様々なアニメーションへのトリビュートです。

ナレーション

地球や火星、冥王星といった惑星や太陽があること、その間には宇宙の海があること、そして太陽系の外の宇宙についてはほとんど未知であること。そんな情報がここでは登場しています。

下の絵は太陽です。この宇宙の太陽は、たまごのような形をしているのです。

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前日譚 ~ 内火星海域

聖暦2174年。

第一話の解説でも取り上げた火星独立戦争、その模様が描写されています。ナレーションによれば、この海戦を期に地球の国連軍の優勢が確定し火星独立戦争が終結したことがわかります。終戦後の地球の状況は前回の解説でも取り上げましたが、この後の"ヒリュウ"の旅では火星の現在の状況も出てきます。そこでは重要なキャラクターも登場しますのでお楽しみに。

この戦闘の指揮を執る和泉提督(右)と、若き日の天田ヒカル(左)が登場しています。

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司令

さて本編に入りますが、はじめに第一話での戦闘を終えた地球の様子が描写されます。"ヒリュウ "の浮上までまともに迎撃できずにいた緋彩市。ボロボロです。

そんな中、偉そうなおじさん2人が何やら意味深な会話をしています。この2人は特務機関フルクラムの「司令」と「副司令」で、"ヒリュウ"の航海を司る人物です。

会話の内容はさておき、ここでの注目は2点。

一つは「LN」と書かれた湯呑み。本編中でも「国連」という組織名が何度か登場していますが、「LN」とは"League of Nations"、つまり国際連盟の略。なぜ連合でないのか?考察や妄想の種になるでしょうか?(制作者としてこの辺の裏(?)設定はいろいろ考えてはいますが、楽しみを奪うかもしれませんのでここでは触れません)

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もう一つ、司令たちが食べているものに注目です。「トップをねらえ!」のオマージュなんですけどね。あの作品では、艦内で様々な食料が調達できるようでそういう説明描写にはなっているようなのですが。この悠長に寿司を食べる描写が“ヒリュウ”の制作陣にはツボで度々話題に上がるのです。

話が逸れましたが、この司令たちは今後も登場しますが、その食べる内容に注目です。変わったものが出るのか、貧相になるのか、豪華になるのか。作品を見るとき、登場する食べ物を見ると生活模様や文化がよく分かると思いますが、本作でもぜひ注目していただきたいと思います。


目覚めるリョウジ

リョウジはヒリュウの診察室の中で目覚めます。

そこには専属軍医兼カウンセラーの那奈井ユキエが。乗艦の意思のないリョウジに対し、ヒリュウにいる経緯や下艦は難しいことを伝えられます。

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ユキエはこの先、リョウジの相談相手にもなれば、その悩みの種にもなる。リョウジにとってのヒロインとなる彼女は、この物語の精神的主柱を担う重要人物のひとりです。


中間目標

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さて、地球を脱出し宇宙の海へ出たヒリュウ。

出航後、特務機関フルクラム「副司令」から命令が下ります。ヒリュウの主ミッションは銀一号作戦 ー 敵に占領された冥王星を奪還する計画 ー ですが、それとは別に火星で機密を"受け取れ"とのことです。機密を受け取るとはどういうことか。この話は第四話に引き継がれます。

さて、ヒリュウはその航行において「ワープ」を用いるということがその後の会話や作戦会議において出てきます。ワープ航法なんて過去のSFで使い古された設定ではありますが、さて本作での技術的設定やビジュアルはどのようなものなのか。

ワープの原理について、技師長・木崎サブローは次のように説明をしています。

この円筒でドーナツ型の太陽系の内壁を突き破り別の海域の内壁に穴を開けてその空間を進むってことだ。この艦隊に元々備わっていた次元振エンジンはそれを可能にするものだった。

太陽系に広がる海域の本来は進めないエリアにゲートを作り、そこを進むという原理です。そしてヒリュウには元々その能力が備わっていたとのこと。「元々備わっていた」、つまり格納された形で発見されたのがヒリュウということで、この艦そのものに大きな背景があるようです。


もうひとりの主人公 桜木セラ

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この物語のもう一人の主人公・桜木セラについて話します。

第一話の冒頭、戦闘機に乗っている様子や、その後上官と言い争っていたシーンがありました。彼女はヒリュウへの乗艦を止められていましたが、無断で乗り込みます。なぜそこまで戦うことにこだわるのか。第二話では、その後の航空隊でのやり取りが描かれます。

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冥王星襲撃により弟・ソラを喪い、その復讐のために戦うと断言するセラとあくまでそれを制止する上官・青木。両者全く譲れない理由は、第一話で登場したセラ、ソラ、青木の映るこの写真から辿れるかもしれません(上図)。


はじめての危機

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第二話の後半では、ヒリュウは本格的な戦闘に入り込むことになります。

ここのBGM「敵艦隊の奇襲」は好評をいただいており、なんなら第二話はこの曲のイメージしかないという極端なご意見もあるようで...。前半のムードから、一気にピンチに引き込む力のあるサントラです。

さて戦闘に関しまして。仕掛けたのは敵のダストー中佐ですが、彼はヒリュウを「宇宙の歩き方も知らんガキ共」と嘲笑します。実際乗っているのは"ガキ"が多いので、物語を追う者としては「当たってるよ」と思ってくれればここは大丈夫です。

実際、ヒリュウは罠に入り込むわ、その後駆逐艦による追い打ちを受けるわ、迎撃するのがやっとの状況。ヒリュウの戦術長不在の影響が大きいのか。ダストーの指摘の通り、戦闘慣れしていません。

さてそんな状況で、ヒリュウの目の前に「次元境界面」が現れます。これを好機とし、ワープで海域をなんとか脱出します。この脱出劇に対し驚愕する敵の様子も描かれます。

「まさか、ヴァル=トエクジャンプか?!」

ワープ航法は敵も知る技術のようですが、ヒリュウが使用するのは予想外の様子。「ヴァル=トエク」とは何なのか。その解説は次回以降に譲ります。

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#3 へつづく

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