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「多元追憶ストライクエンゼル」各話紹介#3

ぼくが制作に参加している自主制作アニメ「多元追憶ストライクエンゼル」。その各話を、メインプロットを追いながら見どころや制作の裏話などをお届けします。

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今回は第三話「彼と彼女の決意」の紹介と解説です。

今回は重要なシーンが続くため若干詳しいあらすじ的な内容を中心に綴り、加えて見所や注目ポイント、制作裏話などを端的に紹介します。

この記事の見出しをクリックすると本編の該当箇所の再生ページに飛ぶようになっていますので、ビデオソフトのチャプター機能のように活用してください。

下艦を望むリョウジ

ヒリュウに不時着して以降、"姉さん"・ユキエのいる診察室に入り浸るリョウジ。前回の戦闘にはもちろん参加せず、下艦する機会を待っています。

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そんなリョウジのもとに、再びヒリュウへの正式な乗艦を依頼する天田。対して、リョウジは初対面時と同様に断ります。戦いたくないという意思を明確にして。


ワープのBGM

話は前後しますが、第二話の最後で、ヒリュウはワープを断行しました。第三話冒頭、ヒリュウはワープ空間で不可思議なひと時を過ごします。

制作の際、ワープ時の音響演出、というよりほとんどBGMをどうするか濃く話し合いました。最初に参照したのは勿論、1974年放映の宇宙戦艦ヤマト(オリジナルヤマト)でのワープのBGM「ワープ成功」でしたが、そもそもオリジナルヤマトのこのBGMは不思議です。現象の割には神秘性みたいのは感じられず、当時のSF映画でよくあった電子音的な表現とも違う。ロックフェスの間奏でギターが遊びで音を繋いでいるような、偏見ですがそんな印象。ぼくら制作の間ではこれを“プログレ感”という言葉でニュアンスを共有しました。ここを起点にし、他に「さよなら銀河鉄道999」を参考にしつつ曲を発注しました。


ワープ成功ダストーの襲撃

ヒリュウはワープを成功させました。

それを追う敵の少佐・ダストーは、ヒリュウの針路や入り込む地形から待ち伏せ作戦を即時立て、実行に移します。

「待ち伏せか!」

ユキエの診察室で、天田は予想していなかったかのように敵の襲撃に驚愕し、艦橋へ向かいます。そのとき天田は、リョウジへの最後の"説教"をします。

「他人は何も決めてくれはしない。自分自身で決めろ」

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葛藤するリョウジに対し、追い討ちをかけるように迫る天田。

一方、ヒリュウは敵からの遠距離攻撃を浴び続け、ついに空洞型小惑星に入り込んでいきます。海面を岩盤に覆われた地形に誘い込まれ、海上への浮上が困難になったヒリュウは、航空隊による迎撃も難しい状況の中で攻撃を受け続けます。

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「私を助けなさい」

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ヒリュウの装甲も破られ、艦の一部では浸水が始まります。

留まるのは危険なため、安全な区画へ逃げようとするリョウジとユキエ。しかし、敵の止まらぬ攻撃により艦の損害は拡大。通路区画は封鎖され、リョウジとユキエは緊急ハッチにより分断されてしまいます。

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向こうにいるユキエを救いたいがため開けられない扉を叩き続けるリョウジ。手は届きません。しかし、声は届くという状況です。

「開いてよ、開いてくれよ。姉さん、聞こえてる?」

喚きながら問いかけるリョウジに対し、ユキエはこう言います。

「私を助けなさい」

戦いなさいでも、できることをしなさい、でもない。ユキエが投げかけたのは、あくまでリョウジ個人の思いを刺激する言葉でした。憧れの"姉さん"の言葉により、リョウジは艦橋へ向かう決心をします。

「悪い女ね。私も」


「俺は護るために戦います」

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艦橋に入ったリョウジは、他クルーに冷笑されつつも戦う意思を表明します。臨時戦術長となったリョウジは、危機的な状況を越えるため、航空隊への指示を出します。

そんなリョウジの決意にリンクするように、戦闘の準備を独断で行うセラ。

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ヒリュウは身動きをとれず、また戦闘機も空中での戦闘しかできないこの状況を打開するのは、"海中飛行"ができる百禽です。奇襲には奇襲を、というように敵の猛攻をくぐり抜け、敵艦を撃破していきます。

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「ヒリュウ、発進!」

セラと百禽の活躍により、敵の攻撃が収まりました。

その隙を狙い、ヒリュウは小惑星の天井岩盤を主砲により破壊し、浮上を試みます。

岩盤から空へ飛びたたんとする姿は、オリジナルヤマトの発進シーンのオマージュです。 

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「ヒリュウ、発進!」

この状況でリョウジはそう叫びます。「すでにしてるがな」というツッコミは野暮です。リョウジはオリジナルヤマトファンで、たまたまこのシチュエーションに遭ったためそう言ったのかもしれない。

真面目な話をすれば、第三話はリョウジの戦術長としての"発進"のエピソードであるため、こうしたセリフをつけたのです。

BGM・「元祖ヒリュウのテーマ」がかかります。もちろん、オリジナルヤマトの「元祖ヤマトのテーマ」が元ネタです。あまりに有名なこの"処刑用BGM"に押されたヒリュウ、そして初陣を迎えた航空隊による逆襲が始まります。


「ご褒美」

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「あったかい...」


#4 へつづく

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制作団体「Section2」の活動内容は随時こちらのTwitterアカウントで更新していますので、ぜひフォローをお願いします。



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