ランニングに対して意識が変わった
はじめに
『ゼロベースランニング』という本を読んでいる。この本で自分のランニングについて考える機会を得た。人間本来の走り方を身につければ、年老いても長く走り続けられる可能性を感じた。ランニングで心と体の健康が維持でき、残りの人生を充実して送れると考えた。
自己記録更新
昨年6月、以下のnote記事を書いた。現在67歳なので70歳の期限まで、あと4シーズンだ。
記事を要約し、記事を書いた経緯を振り返る。
62歳で40代の時の10kmマラソン自己記録を更新した。自作サンダルでシューズの記録を超えたことにも驚いた。
40代の自己記録:51分25秒(シューズ)
62歳(2019年):50分43秒(自作サンダル・ワラーチ)
翌年(2020年)は50分切りしようと決意した。しかし翌年から3年間、コロナ禍でマラソン大会が開催されなかった。そしてコロナ禍の外出自粛で走れない体になってしまった。もう一度走れる体を作って50分切りを達成したい。コロナ禍が終わりトレーニングを始めた。そしてnoteを始め、昨年6月に記事を書いた。
人間本来の走り方
『ゼロベースランニング』という本でランニングに対する考え方が180度変わった。その変化を後押ししたのは「飛脚走り」と「ゆっくり走り」である。
『ゼロベースランニング』の前に『飛脚走り』という本を読んだ。江戸時代の飛脚が飛脚棒をかつぐ姿勢は重力を活用した効率の良い走り方である。また『趾(あしゆび)でカラダが変わる』という本を読んだ。この本の中に「ゆっくり走り」という走り方が紹介されていた。
この「ゆっくり走り」は、歩くよりも遅いスピードで一定のリズムを保ちながら走る方法である。具体的な速さは「歩いているお年寄りにどんどん追い抜かれていくスピード」と書かれていて失笑した。「歩く」より遅いスピードであっても両足が同時に地面から離れる瞬間があれば「走る」という定義らしい。そういう定義なので、競歩は「走る」より速いスピードであっても「歩く」競技なのだ。
「飛脚走り」も「ゆっくり走り」も「ゼロベースランニング」と同様に、重心移動で重力を推進力に換えて走る、筋力に頼らない人類本来の走り方という部分が共通している。いずれも現代社会で一般に普及している筋力とシューズに頼ったランニング走法をほぼ完全に否定した走り方である。これは一般のランニング走法が人類本来の走り方から大きく外れてしまっているという警鐘ともとれる。愛用している裸足感覚サンダルに最適な走り方を見つけることができた。
自分のランニング
70歳までの残された4シーズンの間に、10kmマラソンで50分切りをする。この目標が達成できた時点でランニングはやめることを考えている。70歳までに目標が達成できなくても、それ以降は年齢的な問題で目標の達成はより難しくなることを考えると70歳でランニングはやめるだろう。
一方、今回『ゼロベースランニング』という本と出会い、そのランニング走法に興味を惹かれた。この走法は奥が深そうで習得に時間がかかるかもしれないが、続けていれば人間本来の走り方に近づけるのではないかと信じる。
これから年齢を重ねるにつれ筋力が低下していく。これまでのような筋力に頼った走り方ができなくなってくる。筋力に頼らず重力を活用した走り方を習得すれば、加齢による筋力低下の影響を大きく受けずに、これからも長く走り続けることができる可能性を感じる。
『70歳までに10kmマラソンで50分切りをする』というnote記事を書いたが、走りに速さを追い求めても自分のランニングは長くても70歳で終わる。それよりもゼロベースランニングを参考にして、自分専用のランニング走法を時間をかけて作っていきたい。
意識の変化
来年1月の10kmマラソン大会の準備として、9月中旬からランニングを始めた。昨シーズンの練習は心拍数高めで1時間以上走っていたが、現在は心拍数は低めで30分間走っている。
高い心拍数で走ると、走ったあとの達成感は大きいが走っているときは辛い。低い心拍数で走ると、走ったあとの達成感は小さいが走っているときは爽快だ。走った後の達成感は数分で消えていくが、爽快感は走っている間ずっと続く。
昨シーズンまではマラソン大会前の数週間だけランニングをしていた。ランニングはマラソン大会に参加するためにやっていた。これまでランニングには辛いイメージがあったので、ランニングに出かける時は重い腰を上げていた。走れない理由をつくることもあった。
現在はランニングに出かける時の腰が軽くなった。雨天の日とジムの日以外は走っている。心拍数低めで重力を使ってゆっくりと走ることが身体的にも精神的にも優しい。ランニングのイメージが辛いものから楽しいものに変わった。PC作業や読書の合間に走ることで気分転換とモチベーション維持にも役立っている。
重力を使ってゆっくり走ることでランニングに対する意識が変わった。ランニングはマラソン大会に参加するためではなく、習慣化してQOL向上ツールのひとつに追加することにした。
おわりに
ランニングに対して意識を変えることができたのは読書のおかげである。読書を始めて良かったと思う。本は意識を変え、生活を変え、生き方を変える。その影響力の大きさから本の選定は改めて難しいと感じた。いや大丈夫。選定が間違っていたとしても、実践してみて自分に合えば生活に取り入れればいいし、合わなければやめればいい。これを繰り返すことが生きるということだ。