エンジン ベンチテスターで測定 その2
燃費が改善、軸出力も向上
ガソリン・ヂーゼル燃料の高止まりが続いています。みなさん困っているのではないでしょうか?
静電気の除電が広まって来て、多くの除電グッズが売られています。困ったことに、その中にも偽物が少なからずあるのです。
マジ軽ナットの偽物もいくつかあって、市販されている部品をエアーバルブにOリングで固定して、そこから放電させるのだそうですが、凄いですね、マジ軽ナットのように、薄いワッシャーに直角にネジを切るのは至難の業。とても難しい製造技術で歩留まりも悪いから、そこはやらずにOリングで押さえる。ゴムは絶縁体なのにホイールに帯電している大量の静電気が、そのOリングから流れるのか?
中学校で理科を学んだ方ならもう、おわかりでしょう。説明するまでもありませんし、当ブログをよく読んでいらっしゃる方なら、なおさら言うまでもありません。
そこがOリングという事は、水流に例えると蛇口を目いっぱい置けているのに、ホースの先を指で強くつまんでいる状態です。
これはマジ軽ナットの放電の理論とは全く異なっています。登山で言えば一合目どころか準備段階の前、計画の時点から間違っています。山に登るのにサーフボードを持ち、下駄を履いて電車に乗る、そんな感じです。
くだらない話は切り上げて、科学的な根拠があり、意味のある測定を基に書きます。
今度もベンチテスターでアクセル開度20%と同じ取り付け箇所、アクセル開度25%で測定したものです。
僅か5%の差ですが、グラフに大きな変化がありました。25%という事は、アクセル全開の1/4という事ですから、実用的な範囲です。
まずは軸出力ですが、性能曲線はあえて手書きで写しました。前述のようにいい加減な事を書いて販売している者がいます。残念な事に当ブログを無許可で使って、それを謳い文句にしてまがい物を売っているのです。ご注意下さいね。
そのような状況なので、x・y軸にはあえて数値も入れていませんが、x・y軸の数値に合わせて写していますから、性能曲線を比較したら未除電と除電の性能の違いは比較出来ます。
オリジナルの性能曲線のグラフのは、フリーマーケットやイベント等で直接お見せしています。現物を見て下されば、私が勝手に書いたのではなく、ちゃんとしたデータを書き写しているのが分かります。
測定は静電気の除電を授業に採用している日本で唯一の工業高校、神奈川県立平塚工科高等学校 自動車科の授業で測定されたものです。授業ではエンジンにモーターを使って負荷をかけてどの位データが変化するのか、という授業もしているそうです。
マジ軽ナット・ボルト4個ではまだまだ不十分。もっと除電するとどの位変化するのか、これからも除電の授業は続きます。
重要な基本データ。データはただ計測するだけではなく、どのような条件でで測定したも重要なファクターです。
エンジンはトヨタの2NZ-FE 4ストローク 4気筒 1298ml ガソリンエンジン 燃料密度75g/ml 気温29.5℃ 湿度64% 大気圧100.8kPa
では、アクセル開度25%(1/4)での軸出力の比較です。
x軸が回転速度N(rpm)、y軸が軸出力(KW)です。性能試験ですから、全く同じ条件で測定、マジ軽ナット・ボルトあり、なしだけが違います。
グラフは左側が未除電、つまりノーマル。右側がマジ軽ナット・ボルト合計4個を交換しただけ。作業時間はおそらく3~4分でしょう。取り付けた箇所はアクセル開度20%での比較と全く同じです。
写真に加えて、シリンダーヘッド付近もマジ軽ボルトを1本交換、計4本です。
性能曲線のグラフを読める方ならば、驚くべき結果でしょう。線を引きましたが、まず左端の一番低い回転数の出だしの部分から違いますね。
こちらも線を引きましたが、20%では同じだった軸出力の最高値が、25%では除電した方が少し上がっています。若干ではありますが、これは歴然とした事実。
たったナット・ボルト4個を交換しただけでこれです。25%で少し軸出力がアップしたという事は、アクセル開度がもっと大きくなったら、もっと差が出ると考えられます。
もう一つ、グラフの形状が大きく違っていますね、最高軸出力が出た後の凹の部分です。これはエンジン単体での測定結果ですが、実車では最終的にタイヤが駆動するまでに様々な部分でエネルギーが消費されいきますから、その影響はもっと大きくなります。
20%での測定同様に、除電する事によってコンピューターも含めてエンジンの不得意な部分を補っているのが証明されました。これもエンジンを良く知っている人からしたら驚くべき結果。
マジ軽ナット タイヤ用での体感に「目から鱗でした」と伝えて下さったユーザーさんがいましたが、これもまさにそうです。
次は燃料消費率のグラフで、同じくアクセル開度は25%です。
こちらも線を引きました。アイドリングに近い回転数で、すでに燃料消費率が全く違います。これは各部品が動く抵抗となっている静電気が除電されて、少ない力で作動していると考えられます。
今回は入れていない軸トルクもそうですが、除電をするとグラフの線の乱れが少なくなります。少ない力でスムーズに吹け上がる体感が軸出力だけではなく、燃料消費率でも乱れが少なくなっているのが分かります。
回転数が上がっていった最後のところは少しだけ未除電より燃料消費率が増えていますが、全体で考えたらかなり改善しています。
燃料消費率から見ても、エンジンが燃料を多く使わないといけない部分でも、それほど使わなくて済む、つまり燃料が節約出来る。
だから、Hondaエコマイレッジチャレンジには最適な効率化方法だと思ってコンタクトを取ったのです。もちろん、一般走行でも他のレースでも大きなメリットです。
某大学が本格的なレースに参戦しているので、このようにエネルギー効率が良くなればレースに有利になる。燃料が長持ちすればレース展開の選択の幅が広まり、タイヤも除電するとタイヤの摩耗が減るので、これもレース展開では凄く有利になります。それを伝えたのですが、除電なんて効果ないと思っているのか、話した意味が分からないのか?今のところ連絡はありません。
先日のエクスチェンジマートでこのオリジナルのグラフを掲示して説明しましたが、撤収間際によく並んで出店しているTさんが当店を見つけて声をかけて来ました。彼は除電の効果は知っていますが、実際に研究していた訳ではありません。
上のグラフをお見せしながら説明すると、除電の効果に「凄いですね~」を6~7回も口にしていました。ついでに「この前の車検で測定しました」とエンジンをほぼ完全燃焼させた写真をお見せしました。
「え~、こんなになるんですか!」と、これにもかなり驚かれていました。「これから、HCの1ppmをどうやったら計測出来ないまで下げるか、考えているところです」と返しました。
体感だけではなく、それを数値化(計測)して、体感の裏付けとしてお見せ出来るまでになりました。
スズキのスイフトスポーツ(オートマチック)で「フル除電する」と頑張ってらっしゃるSさんは、エンジンもかなり除電チューニングを進めていますが、先日「リッター20kmを超えたのは初めてです!」と喜んでメールを送ってくれましたが、このグラフをみれば明らかですね。
アクセル開度20%と25%の両方の測定で分かった事は、後ほどまとめようと思っていますが、普通のチューニングでは出力を上げると燃費が悪くなったり、乗りづらくなる事はよくあります。
タイヤを除電すると、転がり抵抗が減るのに接地感(タイヤが路面を捉えているフィーリング)が向上するという、一見相反する現象が起こります。それで最初は「戸惑いました」というユーザーさんもおられます。
エンジンでも出力が若干上がったり、吹け上りが良くなるのに、燃料消費率が改善するという、一見相反する事象が確認出来ました。
長く除電を研究している私からしたらそれは当たり前の事ですが、初めての方は「戸惑う」かも知れません。
なぜそうなるかと言うと、「効率が悪い物を良くする」、「無駄に消費しているエネルギーを使えるようにする」、簡単に言えばマイナスを減らすチューニングだからです。
私は昭和の時代からローフリクションチューニングや軽量化をやっていますから、このような事象は不思議でも何でもありません。
純正の鋳造ピストンに比べて、強靭で軽いワイセコピストンを個人輸入したのは1988年、おそらく日本で3番目です。当時のクラブの会報で「ピストンが軽ければ、吹け上りが良くなり、コンロッドやクランクへのストレスが少なくなる」と書いています。
マジ軽ナットの展示車にしているTL125は非力なので、少しでもパワーロスを減らそうと、「ぱわぁくらふと」から発売された、ドライブチェーンを純正より細い428にコンバートするキットにしています。チェーンはシールチェーンは耐久性はあるのですが、フリクションロスが大きくなるので、通常のチェーンを選んでいます。
このようなチューニングに似ているのが除電チューニングです。
このように、「無駄に消費しているエネルギーを減らして、使えるようにする」事で、低コストで結構性能を向上させる事が出来るのです。
この高校に除電の声掛けをしたのは、社会部(部活)がホンダのエコランに参戦するのを知ったから。エコマイレッジチャレンジはスーパーカブのエンジンで。1リッター(換算)で何km走れるかという省燃費を競うレース。
だから、エンジンや動力伝達の効率を良くして、燃費にマイナスになるもの、空気抵抗や車重、転がり抵抗やエンジンのフリクションを減らせば、走行距離は伸びますが、それはどのチームもやっています。
それに加えて「動きの抵抗となっている静電気を低減する技術がありますよ」と声掛けしたのです。
初めは否定していた先生も、自転車で試乗したら認めざるを得なくなり、その場でマジ軽ナットは採用となりました。その後も先生方をはじめ、学校にも納品すると共に除電の技術協力を続けています。
この測定結果で生徒さんはもちろん、先生も驚かれたそうです。
今後は更にエンジンの除電しての測定を進めると共に、排ガスのクリーン化の実証実験もめぼしが付きました。学校は認証工場ですから、排ガスの測定器があります。
「生徒さんの目の前でどうやってフル除電するのか、その作業をお見せしながら除電前/後の測定をしてみてはどうですか」、と先生に提案をしました。授業のカリキュラムもありますが、実現したら生徒さんの興味も増す事間違いなし。
そして、それを学んだ生徒さんが自動車産業を中心に、製造業に就く。五年後、十年後には「除電しない方がおかしい」となったら面白いでしょう?
これがこの高校に除電を伝えた目的であり、自分の経験を社会に還元する事に繋がると思っています。
明日24日は大磯ロングビーチ駐車場で開催される、SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)主催のTHE 71th SHCCミーティング(ジムカーナレース)に協賛・出店します。
会場に来られない方はネットショップをご利用下さい。
お知らせ
11月24日(日)神奈川県大磯ロングビーチ駐車場で開催される、SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)主催のジムカーナレースに出店します。
なんと、駐車料金、観戦料金も無料です!
出店場所はウォータースライダー下のスワップミートエリアですが、今回は協賛を兼ねての出店となります。協賛品としてマジ軽ナット 自動車用を提供します。
この日、当店を目指して愛知県から来店されるという、ヘビーユーザーさんからの連絡を受けています。
愛知県から神奈川まで2回休憩を取っていたのが、除電で車がスムーズにストレスなく走るようになったので、休憩1回で大丈夫になったそうです。
除電は人間にも優しくなる技術でもあります。