【今日の臨床】背中の痛みを訴える20代女性。
※写真は施術中のイメージ写真で、本文とは関係ありません。
じっとしていても痛みが出るくらい、強い痛みが出ている。
左回旋時は右背中、右回旋時は左背中に痛みが出る。
じっとしていても痛みが出るのが気になったが、触診して確認すると、上後鋸筋が強く緊張していた。
左右どちらも緊張していたが、特に左の上後鋸筋の緊張が強かった。
この上後鋸筋が強く緊張すると、背中にかなりの痛みが出ます。
そして、上後鋸筋が緊張している場合、直接緩めようとしても緩みません。
では、どうすれば良いかと言うと、下腿にある後脛骨筋を緩めるのです。
何故なら、後脛骨筋の緊張が上後鋸筋の緊張に繋がるからです。
上後鋸筋が緊張するのは、歩き方に問題があるからです。
恐らくペタペタ歩いたはずだと思い聞いてみると、ペタペタ歩いた自覚は無かった。
しかし、痛みが出る数日前に、仕事で重い書類を入れたカバンを右肩に掛けて、長距離歩いたそうです。
なるほど、それだなと思いました。
右肩に重いカバンを掛けたことで、右肩を挙上させながら歩くため、重心は左に掛かる。
重いカバンのため、足取りが重くなり、必然的にペタペタ歩きになったと思われる。
このペタペタ歩きの影響により、後脛骨筋がうまく使われず緊張してしまったのだろう。
左背中の方が痛むのも、左後脛骨筋の張りが右よりも強かったためです。
補足すると、左の前脛骨筋も硬くなっていました。
この下肢の緊張を緩めると、思った通り上後鋸筋の緊張が抜けました。
再検査でも、回旋時の背中の痛みが無くなりました。
上後鋸筋の緊張は、後脛骨筋からアプローチしましょう。
原因の見極めが何よりも大事です。