【今日の臨床】中学生の頃から顎関節症になっている30代女性。後編
※写真は施術中のイメージ写真で、本文とは関係ありません。
前編がまだの方はこちら↓
まず、足を改めて触診してみました。
すると、
右足リスフラン関節の辺りに
硬いポイントがありました。
上顎、下顎の歯茎に硬さが出ると、
足にあるリスフラン関節に硬さが出ます。
※逆のケースもあります。
リスフラン関節の硬さが、
歯茎に出ることもあります。
母趾側が前歯側、
小趾側が奥歯側になります。
リスフラン関節のつま先側が上顎、
リスフラン関節の踵側が下顎になります。
これに照らし合わせると、
上顎、下顎のどの辺りの歯茎に
トラブルが起きているのかが分かります。
この女性は、
右リスフラン関節の踵側の
外側楔状骨と立方骨の関節面の
辺りに硬さがありました。
これは、右下顎の奥から4番目
くらいに硬くなっている部分が
あることを示唆しています。
つまり、
右下の第一小臼歯もしくは、
第二小臼歯の辺りということになる。
実際にそうなのか、
右下顎の疑わしい所を触診すると、
硬くなっているポイントが
ありました。
やはり第一もしくは第二小臼歯の
辺りに硬さがありました。
また、下顎の内面に付着する
顎舌骨筋が強く緊張していました。
この顎舌骨筋の緊張が、
顎関節のスムーズな開閉を
阻害している可能性が高い。
歯茎と顎舌骨筋を
挟むように押さえました。
緊張が強いために、
圧痛が発生しました。
このように、どうしても
痛みが伴う場合もあります。
しばらく押さえていると、
少し緊張が緩んできました。
歯並びの問題だとすると、
完全に取り切ることは
できないと思われる。
しかし、緊張を緩めたところ、
変化が現れました。
まず、顎の開閉が少し楽に
なりました。
また、右足リスフラン関節の
辺りに出ていた硬さも緩みました。
きちんと反応があるので、
歯並びの悪さが影響した
という推測は当たっている
ものと思われる。
あとは、これを続けて
顎関節症が改善できるのかを
見極めていけばいい。
咀嚼の重要性を
改めて考えさせらた
症例になりました。