あとがきにかえて
第12話の記事を書いたら、やはりそれだけで尺が一杯になってしまいましたので、連載の締めくくりとして、あとがき記事を作ることにしました。
ホームプラネタリウム
今回のヘッダー画像は、私が何故か持っていたピンホール式投影機です。
第9話の記事で取り上げてみようと考えていたのですが、尺の都合から没にしたネタです。
ホームプラネタリウムは、大きくピンホール式と光学式の2種類に分けられます。
ピンホール式投影機は、すばるが作った手作りの投影機と同じ仕組みで、小さな穴が開いたドーム部(球体の場合もあります)に内側から光を当てて星を投影します。
光学式投影機は、第9話本編でみなとの病室にあった投影機と同じ形式です。
簡単に書きますと、本物のプラネタリウムの投影機を小型化したような本格的な投影機でして、レンズの数によって精度と価格が上がります。
みなとが持っていた(ようにすばるには見えた)投影機は、個人で買える物としては最上級品だと思います。
それにしても、何故自分がこれを持っているのかがわかりません。
高校生の頃に自室にいびつな星空(机などの家具あるため)を投影して遊んでいた記憶があるのですが、一体いつどこで買ったのかあるいは貰ったのかが思い出せないのです。
この頃から星に導かれていたのでしょうかね。
みなとのドライブシャフト
みなとのドライブシャフトのモデルは、スバル・レヴォーグです。
先日、信号待ちをしていたらバックミラーにレヴォーグが映って、アイサイトのステレオカメラまでしっかり見えて、思わず「みなと君に見られている」などと考えてしまいました。
自動車会社とタイアップした作品はいくつかありますが、『放課後のプレアデス』ほどブランド戦略で成功した作品はない気がします。
私もお金(主に維持費)があったら、WRX S4かインプレッサ・スポーツに乗りたいです。
それはさておきまして。
レヴォーグの名前の由来は、LEGACY(偉大な伝承物)+REVOLUTION(変革)+TOURING(車の旅)でして、すばるとの繋がりが見出せます。
すばるのドライブシャフトのモデルは、レガシィだからです。
レヴォーグは、SUBARUが2014年に発売を開始した新車種であり、放映当時の2015年は宣伝していきたい車種だったことはあるでしょう。
ですが、XVやBRZという名の知られた車種ではなくレヴォーグだったのは、この車がみなとを救う道標になる名前を関していたからだと思います。
ずっと探していた足りない何か
私にとって『放課後のプレアデス』は、ずっと探していた足りない何かそのものです。
それこそ10年前(YouTube版公開時点)の頃から昨年春まで、「『放課後のプレアデス』を見ていない」と言うと、私を良く知る友人知人が口を揃えて「意外」とか「信じられない」とか返されてきた理由もわかりました。
『放課後のプレアデス』は、私の指向(好みと言うより向いている方)と合っていることもありますが、なにより根っこの部分と合致するからです。
これまで書いてきたように『放課後のプレアデス』の好きな部分は色々挙げられますが、それもこれも作品のコンセプトが好きなので全部繋がっているわけです。
自分には何かが足りないとは、かなり長い間思い悩んでいたことなのですが、足りないのではなく気付いていないだけなのでした。
見方や捉え方を変えるだけで、見え方や受け止め方が変わることは知っていましたし、痛い目を見て思い知らされたこともありますが、「自分にはない」と思っていたものを「もともと自分が持っている」と思い知らされたのは初めてでした。
足りないと感じると寄りで見てしまう(拡大)ことが多いのですが、実際には引き(俯瞰)で見ることの方が重要なのですね。
言葉でわかっていても、感覚でわかっていない、と理解にまでは辿り着けないと言いますか。あるいは、知っていることとわかっていることは違うと言いますか。
『放課後のプレアデス』は、そんな風に足踏みしていた自分が「なんとなくこうすれば良いんじゃないのかな?」と思うようになれて、たぶんそうできるように変われたきっかけをくれた作品でした。
これからも折に触れて見返すでしょうし、自分の中でとても大切な作品になりました。
参考文献まとめ
『放課後のプレアデス アートワークス』一迅社
『学研の小学校ポケット図鑑5 地球と宇宙』学研
『宇宙がまるごとわかる本』学研
沼沢茂美+脇谷奈々代『星空ガイド』ナツメ社
藤井旭・塩野米松『やさしい星座のみつけ方』ポプラ社
しきしまふげん『現代萌衛星図鑑』三才ブックス
しきしまふげん『現代萌衛星図鑑2』三才ブックス
Mitaka Ver.1.6.0b 国立天文台四次元デジタル宇宙プロジェクト
国立天文台国立科学博物館 宇宙の質問箱
佐伯昭志『ソの夢 ――(放課後のプレアデス 第四話「ソの夢」より)――』pixv
『グリーゼ近傍恒星カタログ』ユニオンペディア
謝辞
記事を書いていて何度も挫けそうになりましたが、少なからず読んで下さる方がいて、なによりNOTEのスキを付けて下さったりTwitterでの反応して下さったりした方々には大いに励まされました。
また、国立天文台4D2UプロジェクトのMitakaには、ヘッダー画像への利用以外でも記事執筆の上で何度も助けられました。
宇宙や星に少しでも興味がある方は、ダウンロードしてみてください。
部屋の中に宇宙を呼び出せます。
有り難いことに個々にお礼を書いていくと切りがなくなるほどになってしまったため、全ての方に御礼申し上げます。
本当に、ありがとう御座いました。
おしまい。