飛行機の燃料の単位にリットル(体積)でなくポンド(重さ)が使われるのはなんで?
こんにちは。
今回は飛行機の燃料の単位について話してみたいと思います。
自動車の燃料(ガソリン)の単位はリットルを使いますよね。それに対して、飛行機の燃料はポンドを使います。
これはアメリカの単位(ヤードポンド法)か 日本の単位(メートル法)か?という話ではなく、
・自動車のガソリンはリットルという体積の単位(容積)を使うのに
・飛行機の燃料はポンドという重さの単位(質量)を使っている
という話です。
なぜ飛行機の燃料は重さの単位を使うのか、皆さんわかりますか?
理系の人であればだいたい予想がつくと思います。
そうです。
「飛行機の中では燃料の体積が変わってしまうから」ですね。
では、もう少し詳しく説明していきます。
ヤードポンド法とメートル法のおさらい
今回の話の主軸ではありませんが、なんの話なのか混乱してしまわないよう、ヤードポンド法に馴染みの無い方向けに簡単に説明しておきます。
ヤードポンド法は知ってるよって人は動画を先に進めてしまってください。
世界的に使われている単位の基準はメートル法とヤードポンド法があります。
世界的にはメートル法が主に使われているのですが、なぜかアメリカと一部の国だけヤードポンド法です。
日本も含め、アメリカ以外はほぼメートル法が基準と思ってください。
体積の単位はメートル法だとリットル、ヤードポンド法だとガロンです。
質量の単位はメートル法だとキログラム、ヤードポンド法だとポンドです。
単位についての詳しい話はまた別の機会でお話ししたいと思っています
で、今回はメートル法かヤードポンド法か?という違いについては忘れてください。
なぜ車のガソリンはリットルという体積の単位なのに
飛行機の燃料になるとポンドという重さの単位になるのか?
これが今回のテーマです。
燃料の体積が変化するから
結論ははじめに伝えてますが
飛行機がポンドを使うのは、燃料の体積が変化するからです。
体積が変化してしまうので、リットルなど体積の単位が使えません。
重さの単位を使ったほうが誤差が少なく正確に測れるということです。
体積が変化する理由
では、なぜ燃料の体積が変化してしまうのか?
理由は主に2つ
気圧の変化と温度の変化です。
気圧による体積の変化は、
ポテトチップスを持って登山すると袋がパンパンになるやつ。
温度による体積の変化は、
真夏になると線路のレールが伸びるので、伸びるぶんを考慮して、つなぎ目にあえて隙間をつくっているというやつ。
こんな具合で、気体や金属の体積が変化するように、燃料の体積も気圧や気温で変化します。
実は車のガソリンも、気圧や温度によって体積は変わっていますが、変化量が誤差の範囲です。
飛行機の場合は、気圧と温度の変化が地上と比べてとても大きいので、燃料の体積の変化も、誤差として許容できない範囲になってしまいます。
上空に上がると気圧がものすごく小さくなりますし、外気温もマイナス何十度になります。
あとは、そもそも積載している燃料の量が車の数十倍〜1000倍っていう量になるので、ちょっとの変化率でも大きい影響が出てしまうという理由もあります。
体積が変化しても重さは変わらない
もし飛行機の燃料計をリットルやガロンのような体積の単位にしてしまうと、
「飛行中は燃料は減っていくはずなのに燃料計のメモリが増える」
みたいなおかしな現象が起きるリスクがあります。
ポンドという重さではかっておけば、気圧や気温の変化で燃料の体積が変化したとしても、正確に残燃料を確認できるということになります。
まとめ
学生の方は、次学校に行った時に、先生に
「飛行機の燃料がポンド表記なのなんで?」
って聞いてみてください
社会人の方は先輩や上司に聞いてもいいかもしれません。
これに回答できるかどうかで、理系のリテラシー・教養があるかどうかを試せます。
それでは、ご視聴ありがとうございました。
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