【webディレクター必見!】コンテンツのストーリーをユーザー状況から構想する方法
こんにちは!現役webデザイナーのみょーるんです。
私は大手webサービス制作会社にて新規サイト制作を任されております。
業務の中で次々とサイトを立ち上げていくに当たり、面倒なのが「このサービスはどんなコンテンツを、どんな順番で入れたらいいんだろう…」という、コンテンツの選択と精査でした。
本来は可能な限りユーザーの情報をヒアリングした上でペルソナやカスタマージャーニーマップを制作し、UXを含めたデザインをするのが定石とは思いますが、新規サービスは期待値がそんなに高くないのもあり、費やすことの出来る工数はごく僅かです。
故に少ない工数の中で大まかにユーザー情報を分解し、それに最適な「コンテンツ内容と順番」というUXのストーリーを設定する必要がありました。
そんな折、「AIDCAの法則」(※)という消費者が消費行動を行うまでの心理的な過程を表した消費者行動分析モデルに出会いましたが、世の中のサイトのコンテンツは全て要素ごとに分類できることに気づき、分析を進めてみました。
※AIDCAの法則は注目(attention)、関心(interest)、欲望(desire)、確信(conviction)、行動(action)から構成されますが、それらの内容に応じたコンテンツがサイト内に存在すると言えます。
<例えば、注目➡「こんな悩みはありませんか?」などの不安感を呼び起こす訴求、確信➡「当社は○○件の実績あります!」と言った信頼感からユーザーの背中を後押しする訴求>
そして「リスティングに出稿されているサイトは上位ほどCVRが高い」という仮説を基に、他社の実装されているコンテンツを分析をすると下記の通りになります(この指標は単価の高いものほど特に信用に足り得る結果になるそうです)。
※順位調査は2018年10月24日のものです
▼例①葬儀依頼サイト「葬儀・葬式なら小さなお葬式」
https://www.osohshiki.jp/
KWD「葬式」でリスティング1位
以下がコンテンツ内容をAIDCAの法則によって分解したものになります。
【分析と考察】
・単価:高い
・緊急度:高い
・重要度:高い
葬式は親族との別れを済ますという意味で大切な儀式であり、依頼するには相当の信頼感が必要となります。そこでまず「C:確信(裏付け・証拠)」のコンテンツをメインビジュアル直下に持ってきているのでしょう。
その後はしばらく「D:欲求(具体的なサービスの説明やフロー)」が続きます。葬式は必ず必要になってくるのでそこまで「I:関心(問題提起・興味付)」が重要となってこないのでしょう。
その後は若干の「A:行動(限定性)」や「I:関心」を含みつつも、多くが「スタッフ紹介」や「お客様の声」、「メディア掲載実績」などの「C:確信」によって成り立っています。
前述の通り、信頼感がCVに大きく関わってくるからでしょう。
▼例②リフォーム一括見積もりサイト「リショップナビ」
https://rehome-navi.com/lp/004/
KWD「リフォーム」でリスティング1位
以下がコンテンツ内容をAIDCAの法則によって分解したものになります。
【分析と考察】
・単価:高い
・緊急度:基本的には低い(ケースによる)
・重要度:高い
今回紹介するサイトの中では最も短いサイトとなります。
コンテンツ内容もスッキリとしており、基本「D:欲求」➡「C:確信」のみです。
私としては、リフォームは緊急度も低い(しなくても直ちに影響が出るわけではない)ため、「I:関心」で「変なリフォーム会社に任せた場合…」などにて不安を煽ってから他のコンテンツを見せるかなと思ってたので意外でした。
考えられる可能性としては、そもそもKWD:リフォームで検索するユーザー層は既にリフォームする意志が高く、サイト内に具体的なやり方や実例がある一定レベルであればすぐ資料請求をして、資料を見てから考えるのではないかという仮説です(またはリフォーム自体が想定よりも緊急度が高い可能性もある)。
単純にLPO不足という点も考えたのですが、URL末尾のパラメータを触ると他のバリエーションのリスティングサイトも発見できたため、ことリフォームKWDに対しては上の仮説が当てはまるような気がしています。
▼例③クレジットカード申込サイト「JCBカード」
https://www.jcb.co.jp/promotion/ordercard/w/ex/
KWD「クレジットカード」でリスティング1位
以下がコンテンツ内容をAIDCAの法則によって分解したものになります。
【分析と考察】
・単価:特殊
・緊急度:低い
・重要度:高い
物凄い長いサイトでしたね!スクロールありがとうございます!
クレジットカードはリスティングの中でも争いの激しい業種でしてその中でトップを取れているJCBカードはかなりの高CVRであると思われます。
そのため、LPOを繰り返している内にコンテンツ自体が長くなったのでしょう。
順序としても他2サイトとは違い、まず「A:行動(限定性)」が来ています。これは同一KWDに競合他社が多く、自社だけの違いを訴求したいためだと考えられます。
その後は約6割を「D:欲求」、約3割を「C:確信」、約1割を「I:関心」が占めています。これはクレジットカードというモノ自体が家電のようなスペック表が必要になってくるのと、「実際どういう風に使うのかイメージが湧かないユーザー」に対し、丁寧に使い方を教えて、納得した上でCVしてもらう必要があるからでしょう(クレジットカード発行自体は料金はかからないけど、長期間”契約”に縛られるため、発行の際は慎重になる)。
【まとめ】
世間のサイトを見ていると必ずしもAIDCAの法則の順番ではなく、それぞれの事業ごとにユーザーの置かれている状況に合わせて、コンテンツというUXストーリーが構成されていると改めて勉強になりました。
ひとつの事業でも検索するKWDによって、ユーザーの置かれている状況は様々だと思いますが、1番検索されているであろうメインのKWDのユーザーに対して最適なストーリーのコンテンツを構成することこそが、新規サイト成功のためには必要不可欠だと思っています。
それでは、今後ともサイト制作のノウハウを記載していくのでよろしくお願いします(๑´ڡ`๑)
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