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弔いの一撃

もう一体の巨人は
電波塔の巨人へ向けて
その身体ほどある
巨大な拳で
思いっきり
殴りつけた
電波塔の巨人は
門の反対側へ
吹き飛んでいった
氷の吐息でも
プラズマ弾でも
びくともしなかった
あの巨体が
こんなにも
最も簡単に
吹き飛んでいったのだ
残された
レジスタンスの面々は
その威力に驚愕した
もう一体の巨人は
ぬいぐるみだった
それはかつて
ワタヌキが完成させたような
ぬいぐるみの巨人だった
しかしながら
ワタヌキのものとは
比べ物にならないくらい
巨大だった

あれ、誰が操作
しているんだろ?

雑草の髪の少年は
不思議に思って
アイウェオに聞いた

操作しているようには
見えないが…
まるで自身が
ぬいぐるみのまま
巨大化したような感じだ…

意志を持った
ぬいぐるみってこと?

というよりも
人間がぬいぐるみに
なっていると言って良いだろう
恐らく禁断魔法の一種だ!

近くにいた
ライスワイフが解説した

それは、わたしの息子の分だ…!

ぬいぐるみ巨人の声は
どこか聞き覚えのある声だと
アイウェオは感じた

まさか、ワタヌキの父か?


◆ 戦利品 ─【弔いの一撃】

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