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綿毛の空

ぬいぐるみ巨人から
出てきた綿毛の大群は
真昼の空を
雲のように覆って行った
空気の抜けたように
本体は萎んでいき
皮もアメーバのように
ドロドロに溶けていった
電波塔巨人も
殴られ続けたため
もはや原型を留めていなかった
ヨロヨロと街を彷徨っていた

ミナミはどうにかして
巨大樹を出せないか
試してみた
ヨロヨロと街を移動する
電波塔巨人を
ドミニスリヤのラボに
誘導するように
巨大樹のフェンスを出した

電波塔巨人の視界は
先ほどの綿毛で
覆われていたらしく
それも相まって
彷徨っていたようだ
ミナミはラボの穴に向け
うまく誘導していった


◆ 戦利品 ─【綿毛の恩恵】

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