巨大樹の防壁
電波塔の巨人の行手は
巨大樹の防壁によって
見事に阻まれた
わたし、てっきり
この苗鉢が
どうにかなるんだと
思っていた
では、この苗鉢で
あれを操作出来たり
するのかしら?
ミナミは抱えた苗鉢を
左右に振ったりしてみたが
特別何かが
起こるようなことはなかった
電波塔の巨人は
目の前にある
巨大樹の防壁を
鬱陶しそうに
薙ぎ倒そうとした
すると
葉っぱや小さな枝が
人々の居る地上に
降りかかった
突然生え出てきた巨大樹と
そこから振り落ちた
葉っぱや小さな枝に
人々は恐れ慄いた
ミナミが
このままではいけないと思うと
巨大樹はたちまち
さらにその数を増やした
しかしながら
ミナミは
これでは埒が開かないと
焦りを感じていた
そんな時
電波塔の巨人の身体は
もう一体の何者かによって
大きく揺るがされるのであった
◆ 戦利品 ─【もう一体の巨人】
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