【解剖学】筋肉の起始停止<上肢帯>
筋肉の起始停止がなかなか覚えられない!! 作用と支配神経も!!
かなり切実なので、せめてブログの時間を勉強にも充てたいと思います。
さて、以前の記事のコピペになりますが、筋の運動器としての役割は以下のとおり!
運動器としての筋の役割
運動、姿勢の維持(骨で支えて、筋肉でサポート)
体温の維持(ふるえ産熱)
循環の促進(筋ポンプ作用)
筋肉により可動する仕組み
多くの筋は、ひとつ以上の関節を越えて2カ所以上の場所にくっついて関節運動に寄与します。例外的に、関節を動かさない筋もあります。表情筋等が代表例です。
起始・停止
前述のとおり、多くの筋はひとつ以上の関節を越え2カ所以上にくっついています。それらを筋の起始・停止と言います。
<起始停止の原則>
筋が収縮したとき、動きが少ない側が起始、動きが少ない側が停止
四肢の筋では、体幹に近い側が起始、遠い側が停止
体幹の筋では、脊柱に近い側が起始(※上下方向は骨盤側を起始とすることが多い)
では、今回は上肢帯の筋についてみていきます。
上肢帯の筋
上肢は肩から先の手をいい、腕の骨(上腕骨)、前腕(橈骨と尺骨)、手首および手のことを指します。その中でも上肢帯は肩関節の運動に関する筋群です。上肢帯から起こり、上腕骨に停止します。そして腕神経叢からの枝に支配されます。
三角筋
起始:①鎖骨外側1/3 ②肩峰 ③肩甲棘 停止:三角筋粗面
作用:肩関節の運動…水平内転、屈曲、外転、伸展、外旋
支配神経:腋窩神経(C5-6)
☆有外転で最つよな筋です。鎖骨と肩甲棘にかけて丸く肩を包んでいます。
<ここから、肩甲骨後面につく筋肉群で、所謂インナーマッスルです。外旋作用に関与します>
小円筋
起始:肩甲骨外則縁 停止:大結節
支配神経:腋窩神経
作用:肩関節の運動…外旋
☆棘下筋の補助的役割を持っていて、大円筋と対の動きをします。
棘上筋
起始:棘上窩 停止:大結節
支配神経:肩甲上神経
作用:肩関節の運動…外転、外旋
☆意外とでかい。
棘下筋
起始:棘下窩 停止:大結節
支配神経:肩甲上神経
作用:肩関節の運動…外旋、水平外転
☆上腕を後ろに回す筋肉で、トレーニングの際は弱い負荷で行います。
<ここから、肩甲骨前面につく筋肉群で、内旋作用に関与します>
肩甲下筋
起始:肩甲下窩 停止:小結節
支配神経:肩甲下神経
作用:肩関節の運動…内旋、水平外転
☆肩甲骨前面から小結節(上腕骨前面)に回り込むように停止します。広背筋が同じく回り込む筋肉です。
大円筋
起始:肩甲骨下角 停止:小結節稜
支配神経:肩甲下神経
作用:肩関節の運動…内転、内旋、伸展
☆肩甲骨前面から上腕骨前面に着く筋肉です。
ローテーターカフ
上記の筋のうち、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋は、ローテーターカフ(回旋筋腱板)と呼ばれます。
ローテーターカフの役割としては、肩関節の回旋運動のほか、上腕骨の骨頭を体幹側にある関節窩に抱き寄せ、肩関節の安全性を高める役割があります。
国試の問題を解いてみよう
上腕骨小結節に停止する筋はどれか。 (はき第11回-19)[解剖学]
小円筋
棘上筋
肩甲下筋
棘下筋
答え
3.肩甲下筋
筋と上肢の運動との組合せで誤っているのはどれか。 (はき第4回-19)[解剖学]
前鋸筋ー肩甲骨を前方に引く
三角筋ー上腕の外転
肩甲下筋ー上腕の外旋
僧帽筋ー肩甲骨の挙上
答え
3.肩甲下筋ー上腕の外旋 <正:肩甲下筋ー肩関節(=上腕)の内旋>
以上、筋肉の起始停止の上肢帯でした。
それと、起始停止については体幹部分もアップしております。よろしければこちらもご覧ください。
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