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哲学基礎講読 ―できる と 知っている は違う―

11月のSメディアで受けていた「哲学基礎講読」の講義が終わりました!
個人的にはとってもきつかった、でもその分達成感もある講義でした。何より自分のできていないところがいろいろわかったし、成長できた気がします。
ということで、ちょっとnoteにまとめてみようと思います!

まずSメディアというのは、動画の講義で3週間受けるものです。
私が受けたこの講座はだいたい1回が1時間弱くらいの動画でして、週のはじめに5回分の動画が配信され、その週の間だったらいつでも好きな時間に視聴できました。週ごとに課題があって、それぞれ週末までに提出するという感じです。
私はまだ課題とかにも慣れていなかったので木曜日くらいまでに全部見るようにしていましたが、平日忙しい人は週末にまとめてやっても良いのだと思います。

哲学基礎講読という科目は、哲学書の原典の読み方を身につけるのを目的とした科目で、今回はサルトルの「実存主義とは何か」を読むというものでした。
この科目は配本の教科書が目が回ってしまいそうな内容で、しかも分厚いので、私はリポートを諦めてスクーリングを積み重ねることにしたのです(笑)なので、この科目にはちょっと及び腰でした。。

早速教材を購入して講義を受けましたが、私の予想に反して講義はとても面白い、有意義な内容でした!ただ読んで、先生が意味を考察するだけではなく、周辺情報なども教えてくれて、色んなことに興味が出てきましたね。
そして1周目の課題は教材とは関係ない、要約の課題でした。私は要約ができないわけじゃなかったけど、どうやるのかは知らなかったので、結構これも時間がかかりました。
「できる」ということと「知っている」ということは違います。
例えばご飯を食べるという行為は誰もができはするけど、どうやって食べるんですか?何回くらい咀嚼して、どのタイミングで身体に入るの?飲み込むって何?と聞かれても、ほとんどの人が上手く答えられない、あの感じ。
これは「何となく感覚でやっていること」であり、「できる」けど「知っている」わけではない。こういったものに、私は気付いていくことになります。

2週目はさらに発展させた要約課題が出ました。1周目よりは難しかったので1日かけて取り組みました。
そして2週目の次点では本の要の内容をだいたい読み終わっていたということもあり、最終課題を視野に入れ始めます。
最終課題は「実存主義とは何か」を読んで考察することで、自分の意見が求められていました。
サルトルの実存主義に対してあなたはどう考えるのか、詳細に著述することが求められました。
ただ、私はこの時点で「サルトルの言ってることはすごく間違いではない、でもちょっと私は納得できないな」程度のもので、どの部分に対して、どういった理由で納得できないのか?というディテールにはモヤがかかっていて、わからなかったんです。
あと一週間で最終課題を提出しなければならないのに!
「自分の意見を述べる」なんて簡単なことだと思っていたけど、よく考えたらこれも「できる」というだけで「知っている」わけではなかった。だから、必要な時になんとなく意見を言うことはあったとしても、敢えて意見を述べてくださいと言われると困ってしまったんだと思います。

そこで、私はサルトルの思想の全体がわかる本と共にこちらの本を図書館で借りました。

平山美希著『「自分の意見」ってどうつくるの? 哲学講師が教える超ロジカル思考術』

詳しい感想はいつか書くことにするとして、フランスと日本の文化の違いから、意見を作るのが苦手な日本人向けに初歩的な議論方法が書いてあります。
結構初歩的なので、すごく役立ったというわけではないですが、初心に帰れるという意味ではよかったかも?

そして、「実存主義とは何か」の中にはデカルトの話が出てくるので、こちらも読んでみました。

デカルト著 『方法序説』

すごく有名な本ですね。これも感想はいつか書きたいですが、コギトをどう発展させていくか?みたいなのが後半部分に書いてあります。
サルトルの思想の理解に役立ったかは置いといても、他の哲学書ってどんな感じなんだろ?ってのが手っ取り早く知れてよかったです。
行く行くは、これがいいきっかけになりました。

そんなこんなで2冊ほど寄り道をしつつ、自分の意見を構築していく作業を進めていきました。
私の中で決定打となったのが、先生が余談的にお話されていたボーヴォワールの話です。先生はボーヴォワールの思想の概要をお話されていたのですが、やはり私はここでもサルトルと同じような感覚で「うーん、ピンと来ないな」と感じたのです。
私の場合きっとサルトルだけを読んで掘り下げていても、何もわからなかったです。
他の思想と比較して共通点や相違点を探ったりすることでやっとディテールが見えてくる…という感じでした。
そして、「なんか納得できないな」「わかるわかる!」みたいな些細な感覚ってすごく大事なんだなってわかりました。ぼんやりしているこの感覚をいかに外側についた土埃を祓い、中身を抉り出していくか。これが自分の考えを構築するスタート地点なんだということもわかりました。

なんとかこの辺りで、何が同意できて何が同意できないかのディテールもはっきりしてきて、そして同意できる点と同意できない点の構造(どちらが大きいとか、内包されてるとか)を洗い出すことができました。
そして、最後の3日間くらいでレポートの執筆を開始したのですが、3日かけて書いているもんでなんとなく1日ごとに論理にズレが生じてくる事態が発生したり(笑)
こういう意見を言いたい!ってのは決まっているのに、主張に対する論証、反論に対する反証がグラグラすると、まあ自分的にも違和感です。
ここも「なんか納得できないな」の感覚を頼りに地道に埃を祓い、文章を作り変えていく作業。
2000~3000字のレポートで苦戦しているのに卒論なんて書けるのか!?と思いつつも、何度も推敲して、まとまりあるカタチになりました…

やはりこの講義を受けて良かったのは、自分の限界が明らかになったこと、そして自分と徹底して向き合ったことで価値観みたいなのが少し姿を見せてきたことでしょうか。
少しは成長できた気がします。

そして、今週は初のかもしゅうこと科目習得試験。Sメディアが疲れすぎてあまり勉強をしていません…まぁかもしゅうは無料で何回も受けられるし、合格したらラッキーくらいの気持ちで挑みます。笑



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