ろうばい

「『ろうばい』って言葉があるじゃん」

夫が言った。

「あるねぇ」

私が答えた。

「これって語源がよくわからないよね」
「え?まぁ、言われたら、そうなのかもね」

語源も何もと思うけれども、元になった話というのは、どこかにあるのかもしれない。

「これってどういう意味だっけ?驚く?」

そう言われて、やっとわかった。夫と私、違う言葉について考えている。夫が見ているパソコンの画面を見れば、そこには「狼狽」の文字が。

「『ろうばい』ってそっちか!それは『驚く』っていうより『うろたえる』とかじゃない?」

狼狽なら語源がどうとか言ったのもわかる。確かに狼だし「狽」って何かわからない(後で検索したら狼も狽も伝説の動物らしい?)。

ちなみに私が『ろうばい』と言われて思い浮かべていたのは「老梅」。「蝋梅か?」とちらりと思ったけれども、どのみち梅の花だと思っていた。だから語源も何も…と思ったのだけれども。

音で聞いただけでわからないこと、割とあるんだな。

昔、美術の時間に「『はる』って聞いて何を思い浮かべるか?」という質問をされた時、皆が「春」に関するものを思い浮かべていたのに、私一人だけ「貼る」に関するものを思い浮かべていたことを思い出した。先生は「そういう感性って大事なんだよ!」と言ってくれたけれども、一瞬「え?」てなった教室の空気よ…。

「ろうばい」って聞いた時、何を思い浮かべる人が多いのだろうか。今、ちょうど梅の花が咲いているし。老梅か蝋梅派が多くてもいいと思うのだけれど。どうでしょうね?


ではまた明日。