今後の採用を変える 『リファラル採用』
リファラル採用とは、
従業員を採用する方法のひとつで、自社の従業員の紹介を通して採用を行う採用手法です。
近年、 メルカリやクラウドワークス、DeNAなどIT企業での活用が進んで取り入れてられてきましたが
最近では業界にかかわらず、すかいらーくグループなどでもアルバイトの採用でも導入されています。
従業員に紹介報酬として金銭を支払ったり何らかのインセンティブを渡していることが多いです。
エン・ジャパンの調査によると、日本では約6割の企業が実施したことがあると回答。
また、実施企業のうち約3割が「デメリットは特にない」と回答しています。
それではリファラル採用に行うにあたって、どういったメリット、デメリットがあるか見ていきましょう。
【リファラル採用のメリット】
最大の魅力の一つは採用コストの削減が期待できるということです。
求人広告を出す費用や人材紹介会社からの紹介よりもコスト抑えることができます。
また、人事部門担当者や現場担当の面接時のパーソナリティの把握の時間を短縮でき、コストと時間の両方の面でメリットがあります。
リファラル採用で人を紹介してくれた従業員に支払う報酬は、企業によってまちまちですが、正社員1人当たり5万~50万円、アルバイトの場合3万~5万円、入社した方の試用期間が終了したタイミングで支払われるといった形をとっている企業が多いようです。
【ミスマッチ・離職率の低下】
すでに働いている従業員からの紹介ですので、入社する前もって会社の情報や仕事内容、職場の雰囲気などについて話を聞くことができるので、入社してみたらイメージと違ったといったミスマッチを避けることができます。
また、すでに人間関係を築いている従業員が会社にいるため、他の従業員ともすんなり関係を築くことができ、退職理由の大半を占める「職場の人間関係」といったことに関するリスクは減るかと考えられます。
また、紹介した方、紹介された方どちらともが「退職」という選択を思いとどまらせる効果も期待できます。
【計画的採用・転職が可能】
求人広告等での採用は、今「転職を考えている人」にアプローチします。
そのため「今は転職を考えていないが、時期が来れば転職しても良い」と思う人に接触することが難しいです。
求人広告で応募してくる人材は広告の掲載期間中にしか人が集まりませんが、リファラル採用では、来年営業を2名入れ、利益を増やしたいという会社の決定が下れば、前もってアプローチすることができます。通年採用が可能です。
従業員の紹介であれば、自社にマッチする優秀な人材の条件面での交渉で逃げられる可能性が低く、折り合いがつくまで交渉ができます。
また、紹介される側も会社の情報を聞け、また、現職を退職するタイミングと入社するタイミングを事前に計画的に進められることができます。
【リファラル採用のデメリット】
従業員との人間関係についてフォローが必要。
紹介した方がもし、不採用になってしまった場合、二人の関係が気まずくなる可能性がありますのでフォローが必要です。また、入社後に関しても同様です。トラブルや会の評判に影響が出るリスクがあります。
特別なスキルを持つ人を対象に対する採用であれば、理由付けられるかと思いますが、一般的に誰でもできるような業務を行う作業員的な方を対象とする採用であれば、特に注意が必要ですし、不採用のハードルを普段より低くしてしまう可能性があります。
【入社までに時間がかかる】
良い人材が紹介できたとしても、求職中でない場合が多いため、入社までに時間がかかることがあります。口説くのに1年以上かかるケースもあります。直近で即戦力が欲しいケースにはリファラル採用はあまり適していないかもしれません。
【似たような従業員が集まる可能性】
同じような年代・同じようなスキル・同じような価値観の従業員が増える可能性があります。
平均年齢の高い会社であれば、年齢が高い人が年齢の高い人を紹介してきます。
また、もし採用した従業員の態度・スキル等が低かった場合、採用担当者が紹介した従業員に責任転嫁する可能性が多く、社内全体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
最後に、
採用競争の激化、業務の複雑化に伴い、自社が求めるスキルやキャリアを持つ人材の採用が困難になっています。また、人材紹介会社などから高額な金額を支払って紹介してもらった人材でもミスマッチ等により離職してしまうケースも起きていることが、リファラル採用が広まっている背景です。
最近では、リファラル採用に関するビジネスも成り立っており、今後取り入れる企業も増えてくると考えられます。
海外では、リファラル採用が積極的に行われており、従業員一人一人がリクルーターとして積極的に自分のネットワークを活かして優秀な人材を獲得しています。また、サイボウズなどでは全従業員が採用担当だと認識させ、常に優秀な人材と接触するように意識していくことも求められます。