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【補足付き】『ビジネスコミックのつくり方[入門編]』無事、終了しました!


5月27日(月)に、note様と共催で『ビジネスコミックのつくり方』というイベントを開催いたしました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました!
イベント終了後もたくさんの方にレポートや感想記事を書いていただき、誠に光栄です。


イベントから時間が空きましたので、当日お話しした内容をカンタンにまとめました。
最後に補足として、本編で話しきれなかった「ビジネスコミックの主人公に女性が多い理由」を追記していますのでご興味のある方は是非チェックしてください。


ビジネスコミックってなに?

ビジネスコミックは、ビジネス書のマンガ版です。2013年に宝島社から発売された『まんがでわかる 7つの習慣』のヒットを受け、たくさんのビジネスコミックが出版されています。

株式会社トレンド・プロは、そんなビジネスコミックを扱う制作会社の1社です。ビジネスコミックという言葉が生まれる前の2003年から、書籍のコミカライズを制作していたので、「老舗」といえるかもしれません。

ビジネスコミックを制作するプロダクションはいくつかありますが、年間ランキングに入る書籍を作っているのは、2019年6月現在は小社だけです。
(他のヒット作は、宝島社の編集の方や、コルクの方が作られています。)

小社はビジネスコミックを下記のように考えています。

ビジネスコミック=ビジネス書のノウハウを抽出しコミカライズしたもの


元本の内容をただマンガにするのではなく、「一番大切なものだけ」を厳選してコミカライズする。結果、読了にかかる時間は短くなるのに、学びが詰まった本になる。
コミカライズしたことで内容が薄くなったと読者に思われないため、小社では「ノウハウの抽出」をとても大切にしています。


ビジネスコミックのつくり方(制作体制編)

入門編のイベントでは「制作体制」と「制作の流れ」についてお話ししました。

まずは「制作体制」について。
小社ではほとんどのビジネスコミックを分業体制で制作しています。
一般的な分け方が、「マンガ原作担当」と「作画担当」の2名体制。納期との兼ね合いでさらに分業する場合もあります。

実は、小社でご活躍いただいている原作者の方は
・映画の脚本家
・舞台の脚本家
・テレビ番組の放送作家
など、マンガ以外のお仕事をされている場合が多いです。

というのも、マンガ原作はシナリオ(台本)という形でつくられるからです。
お話の起承転結と元本のビジネススキルを分かりやすく解説することができれば、ビジネスコミックのマンガ原作はつくることができます。
※漫画家の方に原作をお願いすることもあります。その場合は、ネーム(マンガの構成案)で描いてくださいと依頼することもあります。


ビジネスコミックのつくり方(制作の流れ編)

次に制作の流れについてお伝えします。
下記にざっくりとした流れをまとめました。

【制作の流れ】



 

緑部分:出版社と著者サイドにお願いすること
青部分:トレンド・プロとクリエイターの間で行うこと

左端の「お打ち合わせ」は、制作のご相談段階です。「コミカライズしたい本についての相談」や「コミカライズの進行方法」「制作にかかる時間」などをお伝えします。

その後、企画が通り、制作が確定した段階で「編集会議(キックオフミーティング)」を行います。
基本的には、この会議1回でコミカライズの大枠をすべて決定させます。

【編集会議で決めること】
・マンガのページ数(100pが基本)
・舞台設定
・キャラクター設定
・章の数(プロローグ+1~4章+エピローグ)
・各章に入れるビジネススキル

編集会議で大枠を確定させたら、早速制作に入っていきます。

まずはマンガ原作の方に「シナリオ」(ネームの場合もあり)を作っていただきます。
「シナリオ」で細かな展開が確定すると、「ネーム」に移行します。「ネーム」は作画担当の方にお願いすることが多いです。

★補足
小社では「ネーム」の段階で出版社サイドにご確認いただき、OKをもらえたら仕上げ原稿を納品しています。
その都合で、一般的なマンガのネームよりも詳細に書き込んでほしいとお願いしています。


ヒットの裏側は?

5月27日のイベントでは、ヒットの裏側と題してキャラクター設定のノウハウをお伝えしました。


ビジネスコミックは、「主人公」が「メンター(教え役)」からビジネススキルを学ぶお話です。
そのため、主人公は「読者が共感できる人物」、教え役であるメンターは「読者がその人から学びたくなる人物」にするとお話の説得力が上がります。

また制作時は「一番大切な内容はマンガを読んだだけで理解できる」ことを意識しています。要点だけ手軽に理解できることがビジネスコミックの強みだと考えているからです。

読者は、「面白い話を読もう」としてビジネスコミックを手に取るわけではありません。読者自身が直面している問題を解決したい、できれば手っ取り早く解決策を知りたいと思って手に取るわけです。
ビジネスコミックの読者が抱いている「文章を極力読まないで理解したい」というニーズに応えるためには「マンガだけで分かる気軽さ」が大切です。


補足:ビジネスコミックの主人公に女性が多い理由

実はビジネスコミックの主人公は女性であることがほとんどです。理由は2つあります。

【1】女性読者にも手に取ってもらいたいから

ビジネス書の読者は、過半数が男性と言われています(読者の70%が男性!)。
そのためコミカライズにする際に、出版社から「元本で訴求できなかった女性にも訴求したい」というオーダーをいただくことが多いです。
女性が手に取りやすいよう、女性に共感してもらえるよう、主人公は女性キャラクターをオススメしています。

【2】ビジネス書の棚で目立つから

書店で手に取ってもらうためには、カバーがとても大切です。
ビジネスコミックの多くはビジネス書の棚に置かれるため、マンガのキャラクターがカバーに入っていると大きな差別化につながります。特に女性キャラクターの場合、服装や髪型に動きをつけやすく、より人目を引くイラストにすることができます。

上記の理由から、小社ではビジネスコミックの主人公を女性キャラクターにすることが多いです。「女性キャラクターだと男性は感情移入できないのでは?」という疑問を持たれるかもしれませんが、ビジネスコミックの本当の主役は‟ビジネススキル”です。
読者にとって必要なビジネススキルであれば、性別に関係なく読者は最後までページをめくってくれます。
キャラクターの性別が問題になるのは本を手に取るかどうかの入り口部分に関してだけ、と言えるかもしれません。


さいごに

入門編と題した今回のイベント。単発ではなく、継続的に開催していきたいと考えております。イベント後、noteに投稿していただいた記事は既にほとんど目を通していますが、「ここがもっと聞きたかった!」「ここが気になる!」というポイントがありましたら、本記事のコメント欄に書き込んでいただけると嬉しいです。次回以降の参考にいたします!

そして、イベント中にお伝えした「お題」についても、準備を進めております。お待たせしてしまい誠に恐縮ですが、noteで活躍されているクリエイターの皆様とご一緒にお仕事できる機会をつくっていきたいと思います!

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