見出し画像

「入りやすい」カフェってどんなカフェ?ファサードの印象を大学生に調査!

お茶したいけど、入るのにちょっと勇気がいるカフェってありませんか?

入りやすそうなカフェ」「入りにくそうなカフェ」違いについて「カフェファサードの印象調査(※)」を行った結果、大学生にとって「入りやすそう」と思うカフェにはいくつか具体的な特徴があることが分かりました。一体どうしてこの特徴だと「入りやすそう」と感じるのでしょうか?

この調査はこのような人におすすめ

  • デザイナーさん

  • 企画開発者さん

  • 思い込みに頼らない戦略を立てたい方

  • サービス企画において人の感性という視点を取り入れてみたい方

  • 感性、印象の調査に興味のある方


🔍本文中の※マークの用語は【
記事に出てくる用語集📚】で説明しています


1. 大学生にとって「入りやすそう」なカフェファサードは、こんな外観

様々なカフェファサードのサンプル20個に対して「入りやすそう・入りにくそう」5段階評価(※)で大学生に回答してもらい調査したところ以下(図1)のような外観のカフェが上位に選ばれました。

みんな大好きスターバックスにミラノサンドでお馴染みのドトール。"入りやすそう"と思うのは良く知っているお店だから、なのでは…?と、そこのいぶかしげフェイスなあなた。

上位に選ばれているお店は有名チェーン店ばかりではないようなのです…。

2. 「〇〇のある」カフェファサードに大学生は入りやすい?

「入りやすそう」について 相関(※)のある項目(図2)を調べてみると、「親しみのある」「解放感がある」が「入りやすそう」にとって大切な印象の要素であることが分かりました。

特に「親しみのある」は相関比が高いので、より重要な印象の要素であることが分かります。

反対に「個性的な」「重厚な」は「入りにくそう」な印象と感じることが分かりました。
スターバックスは「親しみのある」の得点がハイスコアなのでアンケートの上位になったと考えることが出来ます。

3. こんな「視点」で大学生はカフェファサードを見ている

因子分析(※)でカフェファサードの印象の構造について調べると、大学生は「スタイリッシュな」「親しみのある」「落ち着いた」に強い反応を示していることが分かりました(図3)。

これら3つを軸とした大学生なりのカフェに対する視点があることがここから読み取ることが出来ます。

4. カフェファサードの印象を決める「3つの軸」

大学生が強い反応を示している「スタイリッシュな」「親しみのある」「落ち着いた」に、それぞれに関連してくる他の言葉(図4)を考慮してさらに解釈を深めることにより、「スタイリッシュ軸」「フレンドリー軸」「リラックス軸」という3つの軸を導き出すことが出来ました。

この3つの軸はカフェのファサードを見る時の大学生独自の「視点」であり、さらにカフェファサードの印象を決める重要な因子でもあります。

5. MAPで一目瞭然!カフェファサードの特徴

カフェファサードの印象を決める3軸で作成した因子得点マップ(※) (図5~7)に クラスター分析 (※)(図8)の結果を反映しカフェのサンプル写真をポジショニングすると、以下の様になりました。

印象の近いファサード同士はグループ化され、マップ上に同じカラーで表示されています。

この因子得点マップを見ると、カフェファサードの様々な印象の特徴を見てとることが出来ます。

6. カフェファサードの印象には6の方向性

因子得点マップのポジショニングから見て取れる様々な印象を分類・整理すると、大学生にとってのカフェファサードの印象は、大きく分けて6つの方向性あることが分かりました。

以下はそれぞれ種類ごとに特徴をピックアップし、分かりやすいようにグループ名をつけたものです。

7. 「入りやすそう」なカフェファサードの共通点

今回の印象調査では、大学生にとって「入りやすそう」なカフェのランキング上位と、印象別に分けた6種類のグループのうち「ポピュラーグループ」「サニーグループ」がほぼ同じであることが分かりました。(図9)

また、「入りやすそう」と相関がある「親しみのある」「解放感のある」の得点が高いカフェファサードを確認しても、ほぼ「ポピュラーグループ」「サニーグループ」と同じものでした(図10)

まとめ. 大学生にとって「入りやすそう」なカフェファサード

これらの結果から「入りやすそう」なカフェファサードについて、「ポピュラーグループ」と「サニーグループ」は大学生にとって「入りやすい」印象傾向のカフェファサードであることが分かりました。

そしてこの2グループを考察することで具体的な特徴を抽出することが出来ました。(図11)

「入りやすそう」なカフェランキングの上位は「誰もが知る有名チェーン店」を含んでいる事もあり、複合的な影響があると考えられますが、大学生にとって入りやすそうな具体的な特徴を押さえていたという点もポイントの一つに十分考慮できると言えます。

今回の調査では「入りやすそう」なカフェファサードに特化して調査したため、相関比でマイナスの値の「個性的な」「重厚な」「高級感がある」の項目を含むカフェファサードは大学生にとっては「入りやすそうではない」傾向が出ました。(図2)

しかし切り口を変え「入ってみたい」カフェで調査をすると「個性的な」「重厚な」「高級感がある」なカフェは得点が高い傾向にありました。
このことから「入りやすそう」と思う印象のカフェファサードと、興味が湧いて「入ってみたい」と思う印象のカフェファサードは別の存在であることがわかります。

「入りやすそう」なカフェにするもよし。「入ってみたい」カフェにするもよし。印象の6グループを参考にしてファサードのコンセプトを明確すれば、ニッチなファンが付くカフェになるかもしれませんね!
ではまた次のトレンドマガジンでお会いしましょう~!

調査概要

調査情報、調査のやり方

モニター(回答者)の内訳

今回の調査に協力してくれたモニターは芝浦工業大学の学生さん男女59名です。
(パネル協力:株式会社アスマーク)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?