ベトナムにてインターンシッププログラム募集!ー学びあいを通じた人材育成に挑戦
今回は代表の田中夏生が以前書いた記事を紹介します。
NPO法人Trellisを始める前
ことば、が得意だったことでいろんな道が開けた。 何か一つ得意なことがあればいい、ってよくきくけれど、本当にそう。
単に生活をしていくための仕事にありつけた、というだけでなく、
多くの人に出会い、多くのことを学び、そして多くの刺激をうけることができたのも、やっぱり英語のお陰だと、40代も後半になり、自分の人生を振り返ったときにつくづく思う。
実は英語ではなくて、実家にあったガウディの写真集にえらく感銘をうけ、スペイン語を学んでバルセロナに留学する!と意気込んでいた高校時代。
希望の大学の受験に失敗して進学した大学にはスペイン語の授業はなく、「スペインに留学する!」という夢はとっても楽しい大学時代を過ごす中ですっかり忘れて、なぜか卒業後はカナダに留学。
留学時代に何を学ぼうかと考えたときも、実はここまでずっと英語教育に関わるとは全く想像もせず、何か日本に戻ったときに役に立つものと思い、
英語教授法を学べる1年間のディプロマ課程に入学した。英文学の授業では解読不能なシェークスピアに悩まされ(大学生になって家庭教師をつける始末)、毎週、論文を3本読んでサマリーを書くという授業では資料探しもままならず、大学の図書館になぜかいつもいて図書館のことは何でも知っていたおじさんに資料探しを手伝ってもらうなど、さまざまな人に助けてもらいながら1年で終わるはずのプログラム、1年半でなんとか終了。
帰国後は昼間は大使館にて秘書の仕事をしながら、大手の留学対策校でTOEFLを教え始めた。ここが私のティーチングのスタートだったことは幸運だった。受講生は東大など難関校卒業でMBA留学を目指す優秀な方たち。
そんなエリートたちに授業をすることのプレッシャーはすごかった。
もう毎日予習に必死だった。ここで教えた経験は、今の私の英語講師としての知識のベースになっていることは間違いない。その後、留学対策校のオーナーが新しい会社を立ち上げるということで大使館をやめて昼間はベンチャーでコンテンツ開発、夜はTOEFLを教えるという生活が始まった。
このベンチャーでの仕事。ほんとうにいろいろとありましたが
自分が迷いもなく起業という道を選べたのも、
そして新たにTrellisを始めようと前に進めたのも、このベンチャーで出会った人たち、そして出会ったプロジェクトとの関わり合いの中で、自分という人間が作られていったからだと思う。「らしさ」ということばがあるけれど、きっとそれは元々あるわけではなくて、いろんな経験を重ねる中で「自分」が作られていって、それがうまく発揮できる環境を自ら整えることができたときに本当に「自分らしく」生きることができるのかな、と。そんなこと、自分のこれまでを振り返るとふと思ったりする。
現在
そして、今。 2つのことをやっている。
当初はベンチャーの仕事も引き続きリモートで行いながら、英会話教室を2006年に地元である石川で開業した。大人を対象にずっと教えてきていたので、最初は大人のみの教室だったのだけど、近所の子どもたちが習いにきたい、というのでキッズクラスもそのうち始めた。どんどん増えて、今やキッズだけで600人以上が教室で学んでいる。
この子どもたちとの出会いが自分がこの仕事、英語を教える、という仕事に強くやりがいを感じるきっかけだったように思う。未来とか希望とか、そういう漠然としたことばたちは、子どもたちを通すと、本当にキラキラしてて、ワクワクしてて、ウキウキしたものに生まれ変わる。
ほとんどの子どもたちとは週に1回のお付き合いだけれど、幼稚園から通うこどもたちはだいたい中学ぐらいまでは通ってくれるので近所のおばさん的にこどもたちと付き合うことになる。
わたしが留学という長い時間とコストをかけて手にしたスキル。今となっては両親に感謝の気持ちしかないけれど、この経験をうちの教室でできるようにしてあげたいな〜とだんだん思うようになってきた。
そこでとても大事なのは講師の人材育成だ!と講師の人材育成に力を入れ始めたのが3年ほど前。これまでは実践を通して一つ一つ手取り足取り教えてきたものを「しくみ」として確立するまでに3年かかった。そして「しくみ」ができた今、これをもっと広めたい、という想いも強くなった。
今やっているTrellisのプロジェクトはその人材育成のしくみを活用し、
多くの日本語・英語講師を育成するためのスタートとなるプロジェクト。
そしていろんな「ご近所」に頼れる先生をたくさん送り出して、
学びあいの場を作りだしていくためのきっかけ作りとなるプロジェクトだ。
NPO法人Trellisについて
Creating Shared Value – 共通価値の創造
ちょっと難しいことばだけど、これがTrellisの活動の柱。
社会的そして経済的モビリティを高めるために、
地域やそこに根付いて活動する組織、そして企業が共通の価値に基づき共に活動していく。営利であれ非営利であれ、活動に関わるステークホルダーが各々の価値を高めながら、かつ共に社会的課題を解決する中で発展し、新しい市場を創っていくというコンセプトに基づいて活動をしていきたいと考えている。語学講師を育成していく、語学レッスンを地域に提供していく、コミュニテイの中で優秀な人材が育っていく、そしてそのコミュニティが市場における競争力を身につけていく。日本語と英語の語学教育にまずは特化して活動を日本とベトナムで広げ、またこの活動に関わる営利組織と非営利組織がそれぞれの役割を果たす中で、新たな価値を創造していくことにチャレンジしていきたい。
「語学教育」という共通の課題をもつ組織が、それぞれの活動の点と点をつないでいくことで活動領域を広げ、その活動自体を持続可能なものとし、そしてその持続可能な活動が地域に社会的なインパクトをもたらすと考えている。
今後どういうことをしていきたいか
まだ組織ができて2年半。ベトナムでは語学教育のニーズがとても高い。特に日本語の学習熱には本当に驚く。日本語を習得して日本での就業を望む人も多いが、日本企業がすごい勢いでベトナムに進出しており、現地における日本語話者のニーズも高まっている。
ダナンと金沢、東京、沖縄で同じ志をもった国籍も年齢もバックグラウンドもまったく違う6人がテレワークしている。離れているけど信頼しあっているからか、なぜか互いの存在が近く感じるし、コミュニケーションはしっかりとれている。組織内でそのミッションの理解がしっかりとされていると、大変なことは日々おきているけれど進む方向性にブレがない。そういう毎日は充実しているし楽しい。
まだまだ走り始めたばかり。これからTrellisのミッションを達成していくために多くの仲間と出会うことだろう。仲間たちとの関わりから学び、新しいものを創り出し、いろんな人の未来とか幸せとか希望とかへのエネルギーになれるようなサービスを提供していきたい。
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