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【好きな絵本】わたしのものよ
『わたしのものよ』
えとぶん マルー
わたしは絵本が好きだ。
特に鮮やかだったり優しい色彩の絵が好きで、本棚には荒井良二さん、マルーさん、ミロコマチコさんの本を数冊、置いている。
この3方の作品は、色彩や絵がものすごく好みなんだけれど、同じくらい、ご本人が書いた文章も好きで、何度も何度も読み返している。
今日は、うちの本棚からマルーさんの『わたしのものよ』を久しぶりに取り出してみた。
『わたしのものよ』の主人公はサカナという名前の猫。
飼い主らしき女性と犬との3人暮らし。
初めてこの本を読んだ時、わたしはまだ一人暮らしだった。猫を飼いたくても飼えないアパートだったので、この本を読んでは、猫との暮らしを夢見ていた気がする。
とは言っても猫を飼った事がないわけではない。幼少の頃、実家で家族6人暮らし。
猫は歴代3匹飼っていた。
猫たちは、田舎で自由に外と家を行き来し、わたしは自分の毎日の遊びで精一杯。思えば、猫たちを正面からきちんと見ていなかったように思う。そして、本当に単なるペットとしか見ていなかった、、、気がする。
でも、猫は猫で、外の畑や草原を自由に走り回っていたので、彼らが不幸せだったとは決して、思わない。
でも、もう少し優しくしたり、仲良くなれたんじゃないかと、時々ふと思う。
話は戻り、
この本の主人公のサカナ(猫)は、とても気高く、自由で、誰にも媚びない美しい猫。
最初に読んだ時、少し自己中だな、と思ったけれど、人間が作った言葉『自己中』には、うまく当てはまらないということが、猫と暮らしてよく分かった。
猫は、今、この時この瞬間を、ただ思うように自由に生きているだけなんだなって。
人の顔色なんか窺わない。
本を買って、しばらくしてから、わたしは猫と暮らし始めた。そしたら、うちの猫ちゃんもこの本に出てくるサカナと性格がほとんど同じであった。笑
気高くて自由で人に媚びない。
でも、ちゃんとわたしを見ていて、時々、毛繕いしている時にわたしの顔や腕なんかも舐めてくれる優しい猫。
わたしが寝る時、わたしの顔に頭をくっつけて寝る猫。
だから、大袈裟ではなく、いつも愛おしく思っているし、猫にも言葉で伝えている。
絵本の最後に、
わたしは誰のものなのか、
猫のサカナ自身が考える場面がある。
そして、
『わたしは この 世界のものよ』
という文で締め括られている。
この最後のフレーズを読んだ時、
うちの猫もきっとそう思っている、
と思った。
(人間みたいに考えているわけではないが)
それに、うちの猫だけじゃなくて、わたしも同じだ。
わたしは誰のものでもない。
わたしも大きく見れば、世界のものだ、と。
だから、世界に存在するもの、全てが平和で幸せでありますように、、
とこの本を読むと毎回、願うようになった。
続く