贅沢な悩み
この時期、うちの猫は私の布団の中で寝ることが多い。
友達には、『湯たんぽいらずだね。』とか
『猫ちゃんが湯たんぽで羨ましいなぁ。』と言われることもある。
しかし、どちらかというと、私が猫の湯たんぽにされているのではないか、と内心、思っている。
今日なんて、明け方近くに、肩から二の腕付近が、異常に痛くて目を覚ました。
寝ぼけ眼で、我が二の腕を見ると、なんと、うちのわがままボディの愛猫が、思いっきり私の二の腕の上に体重を乗せて寝ているではないか。
うっ、おもっ。
しかも、気持ちよさそうな顔で、時折、フニャとかスーッとかンーとか、寝息を立てて寝ている。
なんたる幸せ。。
ちょうど猫のお腹がわたしの顔付近にあり、お腹の毛のモフモフに顔を埋める。
あああ、ここはパラダイス♡
そして、また猫の顔を確認してみる。
幸せそうな顔。
ほんとかわいい。
しかし、重い。。。
すごく、かわいい。
でも、本当に重い。
かわいいなぁ。
ってか痛い。重い。血が止まる。。。
愛する猫を起こしたくない気持ちと、早くどいて欲しい気持ちが交互に湧き上がり、拮抗する。
しかし、とうとう『痛い』が『かわいい』に勝つ。
わたしは、猫がなるべく起きないよう、後ろに後ろにと体を後退させ、腕をゆっくりと引き抜いた。
ふーっ。
安堵のため息。
猫は気配にものすごく敏感だ。
猫も、すぐに目を覚まし、少しばかり餌を要求してから、ホットカーペットを仕込んだマイベッドへと戻る。そして、何事もなかったかのように、丸くなって再び寝はじめた。
なんて淡白。なんて、あっさりなんだ。
でも、そこが猫の魅力なのよね。
やれやれ。
やっと自由の身になった。
伸び伸び寝られるぞーっと一人細く笑む。
あああ、
しかし、猫が重くて起きちゃう、だなんて、なんて贅沢な悩みなんでしょう。
幸せな悩みだなぁと、思いながら眠りにつく。
こんな悩みだったら、一生、悩まされたい。